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| はじめに | ||||||||||
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本連載ではセキュリティの観点から、今注目されているシンクライアントについて解説していきます。第1回は、そもそもシンクライアントとは何か、そしてどういった経緯で発想され、現在はどんな状況なのかについて解説します。 |
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| シンクライアントとは | ||||||||||
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シンクライアントを端的に言い表すとしたら、「必要最低限なソフトウェアだけを搭載した端末である」といえるでしょう。 では少し具体的に解説しましょう。シンクライアントの定義を正確に述べるのは難しいのですが、ここではシンクライアントシステムという1つのアーキテクチャに最適な端末構成と定義します。 通常のPCには、様々なコンピュータリソースが存在します。それはCPUやメモリ、ハードディスク、WindowsなどのOS、アプリケーション、ユーザデータ、ユーザの設定などです。 シンクライアントシステムというアーキテクチャとは、端末側にそれのコンピュータリソースを搭載していなくても、ネットワークを経由してサーバ側にあるコンピュータリソースを利用するための必要最低限なソフトウェアだけを搭載していれば、端末側のユーザは一般的な利用ができるというアーキテクチャを指します。 従って、このようなアーキテクチャで利用される端末には、必ずしもコンピュータリソースがある必要はありません。 ちなみに、必要最低限なソフトウェアおよびその他のソフトウェア(例えば、OSやアプリケーション)やハードディスクやCD-ROMドライブが端末側にあっても、シンクライアントとはいえませんが、シンクライアントシステムであるといえます(図1)。必要最低限なソフトウェアだけを稼働させるために必要なOSとして組み込み型OSがあり、ここではシンクライアントの一部であるとします。 この必要最低限なソフトウェアは、シトリックス(Citrix)社のCitrix Presentation Server(旧称:Citrix MetaFrame Presentation Server)では、Presentation Serverクライアント(旧称:ICAクライアント)になります。 Oracle社のNC(Network Computer)やサン・マイクロシステムズ社のJavaStationではJVM(Java Virtual Machine)、Sun Secure Global Desktop(旧称:Tarantella)の場合は、AIP(Adaptive Internet Protocol)クラアイントです。 またマイクロソフト社ではRDP(Remote Desktop Protocol)クライアントであり、サン・マイクロシステムズ社のSun RayではSun Ray端末に搭載されたファームウェアです。従ってシンクライアントの定義はハードウェアの形態ではなくソフトウェア構成によることになります。 |
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| ファットクライアントとは | ||||||||||
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シンクライアントの反対語は、「ファットクライアント」と呼ばれています。逆にファットの反対であれば、スリムと呼ばれてもよいだろうと思いますが、なぜかシンクライアントと呼ばれています。 ファットクライアントとは、一般的に販売しているPCだと考えてください。いわゆる、IntelやAMDといった汎用CPU、汎用メモリ、データやアプリケーションを保存するハードディスク、周辺機器と接続するUSBインターフェース、あるいはCD-ROMやフロッピーディスクを読み書きするドライブが搭載されているPCのことを指します。 こういったPCには通常、WindowsやMac OSといった汎用的なOS、Microsoft Officeのようなオフィスツール、メールクライアントソフトウェア、Webブラウザ、業務で利用するアプリケーション、ウィルス対策ソフトウェアのようなアプリケーションがインストールされています。 ちなみに、UNIXワークステーションと呼ばれる高機能デスクトップコンピュータもこれらと同様ですので、ファットクラアイントだといえるでしょう。 |
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