LinuxでもHAクラスタ
Red Hat Enterprise Linux 4をベースとしたHAクラスタシステムソリューション
カートを使った商品の購入システムや有名な検索エンジン、企業ポータルなど、インターネットを経由して多くのユーザが一度に集中的にアクセスするシ ステムにおいては、応答速度の低下やシステム障害、サービス停止はその企業イメージの低下に直結することとなり、多くのビジネスチャンスを失います。
ITシステムとしての側面から考えると、その要因は表1のように様々ありますが、システム停止はビジネスチャンスだけでなく、その企業の信頼に関わる問題であるため、企業のITシステムにおいては最も取り組まなくてはならない課題の1つです。
- ネットワークトラフィックの増大に対して、システム側の負荷分散処理の不足
- システム単体の性能が低いため、処理速度が遅い
- 定常状態では安定するが、要求処理の急激な増大に対して、計算処理が追いつかずシステム停止に追い込まれる
- ハードウェア障害により、システムが停止する
- チューニング不足
先のシステム停止が命取りになるようなITシステムを「ビジネスクリティカルシステム(Business Critical System)」あるいは、「ミッションクリティカルシステム(Misson Critical System)」と呼びます。ミッションクリティカルなシステムの例としては、銀行ATMのオンライン/列車/飛行機などの予約および発券システム、携帯 電話網、携帯メールシステム、証券取引所など数多く存在します。
このようないわば「障害が許されないシステム」では、はじめからシステム障害を防ぐ目的で設計された専用で大規模なハードウェアを採用し、何重もの冗長構成を組みます。
システム障害を防ぐ目的で設計されたシステムでは、ハードウェアからOS、ミドルウェア、アプリケーションまですべてが特注品で構成されています。 システム障害が発生した場合でもサービスが継続されるためには、ハードウェアのコンポーネントを冗長化構成にし、サービスの提供を行うアプリケーションの 実行を停止させないことが重要です。このような構成をHAクラスタ(High Availabilityクラスタ:高可用性クラスタ)と呼びます。
HAクラスタといえば、UNIXサーバやNonstopサーバなどで構成することが一般的ですが、近年ではLinuxサーバを使ったHAクラスタの 導入も増えてきました。基幹業務はUNIXサーバやNonstopサーバで構成し、末端の部門サーバにLinuxサーバを導入することもめずらしくはあり ません。
それでは以降より、部門サーバレベルで実現できるLinuxサーバを使ったHAクラスタソフトウェアについて説明します。
Serviceguard for Linuxで実現するHAクラスタ
HPが提供するServiceguard for Linux(以下、SGLX)はLinuxが稼動するProLiantサーバまたはIntegrityサーバでフェールオーバー型のHAクラスタを実現するソフトウェアで、その特徴は表2の通りになります。
- ブレードサーバをサポートし、HAクラスタの結線作業の煩雑化を大幅に低減
- SCSIおよびFibre channel接続型の共有ストレージのサポート
- HP-UX版Serviceguard(SGUX)と同様の機能と管理手法をLinuxクラスタで実現
- 自由なカスタマイズにより、オリジナルアプリケーションに対してクラスタ化が可能
- GUIだけでなくCUIによるクラスタ管理のサポートにより、複雑なインテグレーションが可能
- 全世界で10万ライセンス以上の出荷実績
- ライセンスはProLiantサーバ1台あたり25万円
- 災害対策システムに対応