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LifeKeeperのすべて
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第13回:ハードウェア冗長化
著者:サイオステクノロジー クラスタソリューショングループ
監修者:サイオステクノロジー  小野寺 章   2006/2/17
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はじめに

   これまでの本連載では、LifeKeeperの機能を使用した各種アプリケーションやストレージの冗長化の手法を紹介してきた。今回はハードウェアそのものの冗長化というテーマで、LifeKeeperと親和性の高いハードウェア冗長化の手法について紹介する。

   ここで一度、システム構成全体におけるLifeKeeperの守備範囲を確認しておきたい。
APサーバとDBサーバによる冗長化構成のイメージ図
図1:APサーバとDBサーバによる冗長化構成のイメージ図

   図1は比較的一般的な、AP(アプリケーション)サーバとDB(データベース)サーバによる冗長化構成のイメージ図である。なおネットワーク機器については詳細を省かせていただいた。

   図1の緑色の枠でくくられた部分については、ファイアウォールやロードバランサといったネットワーク機器で冗長性が確保されており、APサーバへの負荷分散が行われている。この場合、外部からのアクセスを受け付けるグローバルアドレスはファイアウォールに割り振られている。

   LifeKeeperが保護対象とするのは、下部にある黄色の枠内となる。具体的にはAPサーバからのアクセスを受け付ける仮想IP/データベース/共有ストレージが保護される。またデータベース以外のアプリケーションもLifeKeeperのリソースとして登録することで保護対象となるが、今回の趣旨とは異なるため割愛させていただく。

   本連載では、図1の黄色の枠内にある1〜3の要素について紹介する。これらの要素の概要は表1の通りである。

  1. サービスLANの冗長化
  2. 共有ストレージに対するFC経路のマルチパス構成
  3. コミュニケーションパス(ハートビート)の冗長化

表1:図1の要素の概要

   表1にはLifeKeeper固有の機能ではないものが含まれているが、これらをLifeKeeperと共に利用することで単体サーバとしての可用性を高めることができる。また単体サーバの可用性を高めることのメリットとして、障害が発生した際に予備のリソースに切り替えることで、他のノードへフェイルオーバーを行うよりも迅速なサービスの復旧ができる点があげられる。


ネットワークの冗長化

   ネットワークの冗長化に関しては、以下の2点が考えられる。

  • パブリックネットワーク(サービスLAN)の冗長化(図1の1)
  • LifeKeeperが内部的な通信で使用するコミュニケーションパスの冗長化(図1の3)

表2:ネットワークの冗長化

   この項では、「パブリックネットワークの冗長化」について紹介する。

   なお、インストール編でも触れている通り、LifeKeeperのコミュニケーションパスは複数定義することが基本的な要件となる。そのためコミュニケーションパスの冗長化については、ユーザ側で検討する必要はない。コミュニケーションパスとして定義された経路に障害が発生した場合は、優先順位に従って順次他のコミュニケーションパスを使用して通信を継続する。これはLifeKeeperの基本機能として、冗長化がはかられているのと同等といえるからである。

   予備のコミュニケーションパスとして、Bondingなどで冗長化されたネットワークデバイスを指定することに問題はないが、余計な問題の発生を回避する意味合いでも、プライマリのコミュニケーションパスは冗長化されていない単体のネットワークデバイスの使用を強く推奨する。

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リファレンスサイトの紹介
本連載のリファレンスとなるWebサイトです。本連載に対するご意見、ご要望などもお寄せください。

■LifeKeeper製品詳細情報
http://www.10art-ni.co.jp/product/lifekeeper/

■SteelEye Technology Inc.(開発元)
http://www.steeleye.com

■LifeKeeperに関するお問合せ
https://www.10art-ni.co.jp/contact/form-lifekeeper_ssl.html
サイオステクノロジー株式会社 クラスタソリューショングループ
著者プロフィール
サイオステクノロジー株式会社 クラスタソリューショングループ
サイオステクノロジーにおいて、SteelEye LifeKeeperの技術サポートや構築支援を行うエンジニア集団。日本国内で、彼ら以上にLifeKeeperを知る者たちはいないと自負している。世の中のすべてのHAクラスタがLifeKeeperになることを夢見て日々奮闘を続けている。


サイオステクノロジー株式会社 小野寺 章
監修者プロフィール
サイオステクノロジー株式会社  小野寺 章
インフラストラクチャービジネスユニット
エンタープライズソリューション部 部長
国産汎用機メーカに入社し、汎用機のSEを10数年担当、1994年頃からオープン・ダウンサイジングブームの到来とともにUNIX系OSを担当し、Solaris、HP/UXでSun Cluster、Veritas Cluster、MC/ServiceGuardなどを使用した、多数のミッションクリティカルシステムのHAシステム構築に従事。2001年ノーザンライツコンピュータ(現サイオステクノロジー)へ入社後、SteelEye LifeKeeperの総責任者としての国内での販売・サポート業務に従事。


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INDEX
第13回:ハードウェア冗長化
はじめに
  OSによるパブリックネットワークの冗長化
  コミュニケーションパス(ハートビート)冗長化
  マルチパスの種類
LifeKeeperのすべて
第1回 HAクラスタの基本とLifeKeeper
第2回 LifeKeeper for Linuxのインストール
第3回 LifeKeeper for Linuxの操作
第4回 LifeKeeper for Windowsのインストール
第5回 LifeKeeper for Windowsの操作(前編)
第6回 LifeKeeper for Windowsの操作(後編)
第7回 共有ファイルシステム「LKDR」と「DRBD ARK」
第8回 MySQL/OracleとLifeKeeperによるHAクラスタ化
第9回 LifeKeeperのコマンドライン操作
第10回 Microsoft SQL ServerとLifeKeeperによるHAクラスタ化
第11回 LifeKeeper Data Replication For WindowsとDisk-to-Disk Backup
第12回 様々なアプリケーションのHAクラスタ化を実現するGeneric ARK
第13回 ハードウェア冗長化
第14回 LifeKeeperの管理 - ログの確認方法とSNMPの設定
第15回 LifeKeeperの今後のロードマップと展望
徹底比較!!クラスタソフトウェア
第1回 クラスタソフトウェアの導入にあたって
第2回 日本が生んだ、ビジネスを守る信頼のブランド「CLUSTERPRO」
第3回 GUI操作だけでHAクラスタが構成できる「LifeKeeper」
第4回 企業情報システムとともに進化するClusterPerfectシリーズ
第5回 富士通の高信頼基盤ソフトウェア「PRIMECLUSTER」
第6回 Serviceguard for Linuxで実現するHAクラスタ
第7回 Red Hat Cluster Suiteの紹介
第8回 Windows Serverにおけるクラスタソフトウェアの進化
第9回 オープンソースソフトウェアの「Heartbeat」によるHAクラスタ
第10回 クラスタソフトウェア導入に際しての注意点
HAクラスタソフトウェアの市場動向
市場からみるHAクラスタソフトウェアの採用動向