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徹底比較!!クラスタソフトウェア
第10回:クラスタソフトウェア導入に際しての注意点
著者:
バックボーン・ソフトウエア 青木 浩朗
2006/2/1
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クラスタソフトウェアの選定の注意
第2〜9回にわたり、各ベンダーの方々にそれぞれのクラスタウェアの特徴と優位性を思う存分に紹介してもらいました。もちろん、各クラスタソフトウェアの技術的な機能の特徴は異なるので、それぞれの視点で述べられた記事を比較しにくいとは思います。そこで最終回は、特に注意すべきポイントについて確認していきます。
今までの記事を読むと、「結局のところ何を選んだらいいのか」ということについて悩んでしまうかもしれません。何かを実現するためにソフトウェアを購入しようとしたときに、購入動機と結びつくものは様々だと思います。
例えば、単に価格が安いから、広告を見て気に入ったから、雑誌やWebサイトでの評価がよかったから、などの理由があります。しかし最も重要なことは、「何をどのような環境で行いたいのか」ということを改めて確認してみることです。
図1:2004年国内高可用性クラスタリングソフトウェア市場金額シェア
出典:IDC Japan(2005年)
稼動するOSでのサポート
例えばMSCSはWindows上でのみ稼動し、Red Hat Cluster SuiteはRed Hatが提供するディストリビューションのLinux上のみで稼動します。ほとんどの場合はLinuxかWindowsがサポートされていますが、その他の環境に導入する場合には他の商用クラスタウェアを検討する必要があります。商用UNIXの場合には使用できるソフトウェアが限られることがありますが、OSのベンダーが独自で開発しいるものもあります。
使用するアプリケーションのサポート
一般的にIPやファイルシステムなどのフェイルオーバーは、どのクラスタソフトウェアでもサポートされています。
しかし、フェイルオーバーをする一部のアプリケーションはオプションを追加しなければサポートされなかったり、自分でスクリプトを書かなければならないなど、別工数が発生することがあります。最悪の場合、動作自体が保障されないケースもあります。アプリケーションが動作しなければ意味がありませんので、こういった場合は導入の選択肢から外します。
クラスタの導入時でのサポート
一般的なアプリケーションとは異なり、クラスタソフトウェアの場合は導入に特別なスキルが必要であったり、認定されたエンジニアでないと導入作業ができない製品もあります。
そのほとんどが導入作業をベンダーやSIerに導入を委託することも可能ですが、費用が別途かかります。また委託先によって価格の幅があるので、そのことを考慮しておく必要があります。
サポート時間
クラスタソフトウェアは製品の性格上、ミッションクリティカルなシステムで使用されます。何か問題が発生した場合、サービスが正しくフェイルオーバー(注1)してくれればよいですが、クラスタウェアもソフトウェアであるため、バグがないという訳ではありません。
また、用途によっては24時間365日サポートが必要な場合もあります。そのため、サポートの内容についてよく確認し、時間外の特別対応を希望する場合には、ソフトウェアのライセンスとともにサポート費用も見積もっておく必要があります。
※注1:
サーバに障害が発生した場合に、代替サーバが処理やデータを引き継ぐ機能
図2:クラスタソフトウェア導入にかかるトータルコスト
ストレージハードウェアのサポート
共有ディスクとして使用するストレージデバイスが決定している場合には、そのストレージデバイスがクラスタソフトウェアでサポートされているかを確認することが重要です。場合によっては、ハードウェア依存の排他制御の機能が使えない場合があります。
障害検出時においてフェイルオーバーにかかる時間
各クラスタウェアは障害を検出し、それにより必要なサービスをフェイルオーバーします。しかしながら、サービスを切り替えるまでの時間はゼロではありません。例えばサービスの停止時間が5秒しか許容されない場合、方法論そのものを考え直す必要に迫られます。ハードウェアベースのftサーバの導入なども視野に入れる必要がでてきます。
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著者プロフィール
バックボーン・ソフトウエア 青木 浩朗
ストレージ専業ベンダーにて、SEおよび企画を担当した後に、2001年にBakBoneSoftware入社。主に大手ベンダーのSEを担当しながら、テクニカル・マーケティングとして、各種講演や執筆活動を行っている。最近は、特にデータベースとクラスタリングに注力し、検証レポートを作成するのをライフワークとしている。
INDEX
第10回:クラスタソフトウェア導入に際しての注意点
クラスタソフトウェアの選定の注意
機能比較のポイント
最後に