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SaaSによる安心・安全な帳票運用を実現「帳票匠屋」
SaaSだからこそ重要な帳票によるサービス連携
著者:
ウイングアーク テクノロジーズ 岩本 幸男
2007/10/3
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SaaSの落とし穴「帳票」
中小零細企業にとっては、大企業と同等のシステムを安価に利用できる時代が目前に迫りました。SaaSの導入には数多くのメリットがあります。しかしSaaSを導入することによって期待される成果を得るためには、業務の流れを支える「帳票」が、以前にも増して重要となります。
企業全体における業務の流れを見たとき、その中でコストと時間を費やしているのは、各業務間の連携、そして他社との連携部分です。ビジネスフローは単一企業の単一サービスだけでは完結しません。この企業における「業務の流れ」は「帳票の流れ」によって支えられています。そのため業務の効率化を様々な局面で支える帳票、例えば、伝票・納品書、見積書・発注書、請求書・会計帳簿類、申込書・申請書、工程管理表・提案書などを抜きにSaaS利用を検討することはできません。
SaaSの本格活用を目前に控え、その便利さの一方で日本のビジネスには欠かせない帳票・レポート出力が課題となっています。
この記事では、SaaSとビジネスにおいて不可欠な帳票の関係について、例を上げながら紹介していきます。では最初に、一般的な製造業を例に、業務の流れに沿って帳票の流れを確認してみましょう。
「業務の流れ」は「帳票の流れ」
例えば取引先と営業部門の間では、見積書や注文書のやり取りが行われます。営業部門と資材部門の間では発注書が取り交わされ、製造指示書が製造部門に出され、出荷伝票や検品書と共に製品が流れ、最終的に注文された商品がお客様の手元に届く際には、物と共に納品書・受領書が渡されます。このほかにも本社内では月次書や集計表なども出力されているはずです。
図1:企業システムにおける帳票の流れ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
このように「帳票の流れ=業務の流れ」となって帳票は企業システムを支えています。いわば帳票は情報の伝達手段として、企業には必要不可欠な存在となっているのです。
しかし帳票は大変重要な役割を担っているにも関わらず、データを入力してキーを押せば出力されて「あたりまえ」のようにとらえられていることが多く、業務フローのなかでもその重要性はさほど意識されていないのが現状のようです。
現在のビジネスにおいて切っても切れない帳票ですが、SaaS導入の前に、改めて現在の帳票システムを振り返ってみましょう。もしかしたら次のようなことを感じたことはありませんか。
システム全体での帳票の割合が意外と大きい
帳票を出力するためにシステムが動いているように感じませんか?
システム環境への依存度が高い
システムが構築されたOSや、印刷するプリンタの機種に変更が生じると印刷アプリケーションも作り直しになりませんか?
帳票部分の切り出しが難しい
コアな業務ロジックと帳票ロジックが複雑に絡み合い、保守が面倒になっていませんか?保守が面倒なのに、現場では毎日のように帳票フォームの変更要求が発生していませんか?
新しい法律への対応
電子帳票、e文書法、J-SOXなどへの対応はとても大変ではないですか?
表1:現在の帳票に対する疑問
SaaS環境では、既存システムでは当たり前にできていたスプール管理や大量印刷、運用はどうなるのでしょうか。皆さんが検討されているSaaSによる業務アプリケーションでは、このあたりまえの帳票が現状システムと同じように出力されるでしょうか。
もし帳票が出力されないのであれば、SaaS導入のメリットを享受できないうえに、場合によっては最悪の結果が待っているかもしれません。
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著者プロフィール
ウイングアーク テクノロジーズ株式会社 岩本 幸男
営業本部 サービス&グローバルビジネス推進室 室長
大学卒業後、ソフトウェアパッケージベンダーに入社。その間、データベースソフトウェアの移植・開発、インターネットビジネスの立ち上げなどに従事し、2000年6月にASP会社を設立とともに代表取締役に就任。2006年よりウイングアーク テクノロジーズに入社、SaaSで実現する帳票ソリューションを推進し、サービス&グローバルビジネス推進室室長として、帳票匠屋の事業の立ち上げに従事。
INDEX
SaaSだからこそ重要な帳票によるサービス連携
SaaSの落とし穴「帳票」
帳票匠屋の取り組み
SaaS共通インフラとしての帳票サービス