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徹底比較!!SaaS vs.パッケージ
第1回:セールスフォースに見るSaaSの衝撃
著者:
みずほ情報総研 古川 曜子
2007/10/1
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熱狂的なファンを集めるセールスフォース
9月16〜19日にサンフランシスコで行われたセールスフォース・ドットコムのカンファレンス「Dreamforce07」は、世界中から集まったユーザやパートナーである開発ベンダー企業7,000人の参加者により、大きな盛り上がりを見せたという。
「あそこに参加している人たちは、みんなセールスフォースの熱狂的なファンなんだ!」と、同カンファレンスに参加した弊社の部長は帰国後、興奮気味に語った。「ファン」達は、セールスフォースに代表されるSaaSという新しいビジネスモデルに自分が参画していることに誇りを持っており、共にこのモデルを発展させていこうという熱意に満ちていたという。
かつて、エンタープライズ系のITサービスの世界で、これほどまでにユーザやパートナー企業を熱狂させるものがあっただろうか。このカンファレンスの熱気は、いったい何を物語っているのだろうか。
図1:Dreamforce07に集まった大勢の参加者
本連載では、SaaS業界の最先端を行くセールスフォースのビジネスモデルを点検しながら、従来のパッケージソフト販売のモデルと比較したSaaSモデルの新しさ、今後の可能性について検証し、関係者に衝撃を与えているその魅力の理由が何なのかを解明していきたい。
高いユーザビリティの実現
セールスフォースがユーザを虜にする特長の1つに「ユーザビリティの高さ」がある。アプリケーションのカスタマイズをユーザ自身がGUIで簡単に設定していけるように作られているのである。
例えば、データベースに独自のテーブルを自由に追加作成することができたり(図2)、テーブルへの項目追加やリレーションの設定を行える(図3)。
図2:セールスフォース:オブジェクト(データベーステーブル)作成画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
図3:セールスフォース:項目追加画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
データベースの追加・変更に伴って画面上に新たなタブページを表示させたり、項目名の変更、リンクやボタンの配置、画面レイアウトの変更も自在である(図4)。
図4:セールスフォース:レイアウト編集画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
これらをSQL記述やプログラムコーディングすることなしに、すべて設定で行えるのである。また、外部アプリケーションからセールスフォースとデータ連携できるように、データベースアクセスのためのAPIを公開し、サービスへのログイン、データ検索、データ追加・更新処理、パスワードやユーザ情報などの設定、データの同期などが行えるようになっている。
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著者プロフィール
みずほ情報総研株式会社 古川 曜子
金融ソリューション第2部
1999年、富士総合研究所(現みずほ情報総研)に入社。民間企業、中央官庁のナレッジマネジメントやEA関連のコンサルティング業務に従事。現在は、企業情報ポータル、検索エンジンなど、「エンタープライズ2.0」のソリューションを活用した企業内情報活用のためのシステム構築業務に携わっている。著書に、「ITとビジネスをつなぐエンタープライズ・アーキテクチャ」(中央経済社)、「サーチアーキテクチャ」(ソフトバンククリエイティブ)(いずれも共著)。
INDEX
第1回:セールスフォースに見るSaaSの衝撃
熱狂的なファンを集めるセールスフォース
スピーディな導入とカスタマイズ
あらためて、セールスフォースが先進的なわけ