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メガバンクにおけるBEA AquaLogic User Interactionの活用事例
BEA Japan Forum 2006

メガバンクにおけるBEA AquaLogic User Interactionの活用事例

2006/11/29
みずほコーポレート銀行の新体制の要

   事前のセッションスケジュールでは「メガバンク」とだけ書かれており、どの銀行なのかは明かされていなかった。壇上に立ったみずほ情報総研株式会社 コンサルティング部 シニアマネージャー 吉川 日出行氏は、まずこのメガバンクが「みずほコーポレート銀行」であると発言した。

みずほ情報総研株式会社 コンサルティング部 シニアマネージャー 吉川 日出行氏
みずほ情報総研株式会社 コンサルティング部 シニアマネージャー 吉川 日出行氏

   実際にシステム構成の解説に先立ち、システム改変の要因となった国内営業部門の基本戦略について詳細な説明が行われた。大きな変化は、これまで各グループ企業ごとに行っていた営業をRM(リレーションシップマネージャー)という形でグループ全体としてソリューション提案を行うことにしたという。

   そこでは相手の企業の視点に立った提案・戦略を、グループ企業各社のソリューションや製品を基に構築していくという。さらに特徴的なのは、1つの案件に対して協力した営業部とソリューション部に、そこで発生した売上を管理会計上100%各部署に加算する「ダブルカウント制度」を導入したことだ。

   これによって個々の部署が目標意識を持てると共に、ソリューション部からも積極的な営業への働きかけが生まれたという。実際にこの体制がスタートしたところ、営業とソリューションを提供する「プロダクツ部」との間で密接な連携が不可欠になったという。

   この情報連携をよりスムーズに行うため、BEA AquaLogic User Interactionを活用して企業内ポータルサイトを構築すると決定したとのこと。単に箱物として作るだけではナレッジマネジメントが進まないため、シャープなコンセプトと現場の運用上の問題を解決することを優先事項として開発を進めたと語った。

   吉川氏は「今現在、第2次の企業内ポータルのブームが来ていると考えています。そこで重要なのはシステムの疎結合とパーソナライズ機能の実装です。これはERPで実現できますが、すべてを統合するにはお金と時間がかかりすぎます。かといってEAIツールで行うには、ツールが不足している点やデータの不整合・不統一が壁となります」と企業内ポータルについて分析する。

SOAを活用して構築された企業内ポータルサイトのイメージ
SOAを活用して構築された企業内ポータルサイトのイメージ

最後に「SOAならフロントをポータル化しながらも、バックのシステムは統合せずにシステム化することができます。EIPによるプレゼンテーション層の統合と、EAIによるデータ統合のハイブリットが現実的といえるでしょう」と締めくくった。

(ThinkIT編集局  神保 暢雄)