ガートナージャパン、IT投資目的の日米比較調査を発表

ITニュース

ガートナージャパン、IT投資目的の日米比較調査を発表

IT投資動向業務プロセス生産性

2007/3/9 11:00

日本企業は「守り」の投資を重視、北米は「守り」と「攻め」の双方を重視

ガートナージャパンのリサーチ部門は3月8日、日米のIT投資動向に関する調査結果を発表した。本レポートは、中堅・中小規模を含むユーザ企業の情報システム責任者を対象にアンケート形式で調査した結果をまとめたもので、日本では2006年11月に、北米は2006年9〜11月に調査を実施した。

同調査では、日米企業におけるIT投資の効果・目的の位置付けが北米企業に比べて大きく異なる点が浮き彫りになったという。日本企業では投資の促進要因となる「IT投資によって期待する効果・目的」について、「業務プロセスの効率化」「業務コストの削減」「社員の生産性の向上」の項目が高く、現場の体質強化を重視する「守り」の投資への傾向が強いとのこと。

北米企業では、「社員の生産性の向上」「業務プロセスの効率化」があげられている点は日本と同様の結果であったという。しかし56%の企業が「顧客満足度の向上」をあげており、さらに「新規ビジネス・製品の開発」や「新規顧客獲得」などの競争優位を意識した「攻めの投資」に関して比較的高い選択率を示しており、IT投資に対して日米に大きなギャップがあるとしている。

IT投資によって期待する効果・目的(複数回答可):日本企業と北米企業との比較 出典:ガートナー(ITデマンド調査室)/調査:2006年11月(日本)、2006年9〜11月(北米)

図1:IT投資によって期待する効果・目的(複数回答可):日本企業と北米企業との比較

出典:ガートナー(ITデマンド調査室)/調査:2006年11月(日本)、2006年9〜11月(北米)

(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

本調査の詳しい内容については、以下のURLを参照してほしい。

「IT投資動向報告書2007年 −日本と世界−」
http://www.gartner.co.jp/research/itdemand/itinvst/

日本企業の投資態度について、日本側の調査を担当したアナリストの成澤 理香氏は「現場の組織能力は高いものの、それを外部環境における競争力に結び付ける戦略能力が弱い傾向にあり、こうした点がIT投資にもあらわれています」と述べている。

北米企業におけるIT投資動向について、北米側の調査を担当したリサーチ・バイスプレジデントのバーバラ・ゴモルスキー氏は「情報システム部門は、絶えず高品質なIT運用を要求される一方で、ビジネスに対するITの戦略的貢献の実現も求められており、多くのIT組織にとっての課題となっています。本調査結果は、ITリーダーが単に基幹のITサービスを安く供給するだけでは成功を期待できないことを示しています。より正確にいえば、ITリーダーは、サービスを安く供給すると同時に、プロジェクトを通じて、ビジネスに競争上の差別化を提供し続けることが求められていることを示唆しています」と分析している。

問い合わせ先

ガートナー ジャパン株式会社

URL:http://www.gartner.co.jp

関連記事・ニュース

(ThinkIT編集局  曽我 一弘)

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る