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開発ライフサイクルとVisual Studio 2005という選択肢 |
第1回:開発ライフサイクルが生むメリット
著者:日本ユニシス 原 良一 2005/11/1
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はじめに
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数年前、直木賞を受賞した山本一力著「あかね空」が最近文庫化されたので、読んでみました。薄給の私にとって単行本は高嶺の花なのでやっと機会に恵まれました。
この物語は弊社(日本ユニシス)の近所の江戸深川を舞台に、京から単身出てきた豆腐屋さんの生涯を2代にわたって描写したものです。人の一生と同じように、ソフトウェアにも障害があり、あっ不吉な漢字変換をされてしまいました。正しくは今回テーマのソフトウェアの"生涯"(ライフサイクル)ですよね。
話を本題に戻しまして、これから4回にわたりソフトウェア、特に開発のライフサイクルとその全般を支援するツールとしてマイクロソフト社から本年度提供される予定のVisual Studio 2005(以下VS2005) Team Systemの適用方法、有効性を考察します。
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開発ライフサイクルの意識の必要性
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今なぜ開発ライフサイクルかというと、前出のとおり(?)ソフトウェアには障害がつきものです。ITの利用は部門別の事務効率化から、経営に直結し、かつ企業全体におよぶため、その影響範囲は大きくなっています。また開発規模も拡大し、オープン化による複雑性も増しています。
このような背景に加え、高い品質を無駄のないコストで迅速にシステムを提供することが求められ、開発ライフサイクルと開発プロセスの確立の必要性が見直されています。
開発ライフサイクルを意識することのメリットは、開発プロセス(具体的にやるべき作業)と成果物がよく見えるようになることにあります。いいかえると、開発ライフサイクルとそれを構成する開発プロセスと成果物を規定することにより、最終成果物(使えるソフトウェア)作成に向け、各作業者の役割・目的が明らかになります。
ソフトウェア開発は未だに手工業的であり、人手による作業の比率がほかの製造業に比べ非常に高いのが現状です。このため作業者のモチベーションが生産性と品質に大きく作用します。
役割・目的の明確化は作業者のモチベーションを高揚させコミュニケーションの円滑化をはかることであるとともに、管理面でも進捗の尺度として成果物とプロセスが明らかであることが必要です。
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開発ライフサイクルと開発プロセス
後述の共通フレームでは「ソフトウェアライフサイクル → 開発プロセス(開発ライフサイクル) → アクティビティ → タスク」の関係で階層化し解説されています。
本連載では開発プロセスは結果をともなう個々の処理を指し、入力およびあらかじめ定義された成果物がある活動(作業)として使用しています。上記のアクティビティやタスクも開発プロセスと表現しています。
一方、開発ライフサイクルは繰り返される一連の活動(作業)のセットを指しています。簡単にいうと、開発プロセスと開発ライフサイクルは同じ範囲を指していますが、開発プロセスと表現した場合、より成果物の存在を意識したものと認識していただければと思います。うーん、言葉って難しいですね。
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著者プロフィール
日本ユニシス株式会社 原 良一
.NETビジネスディベロプメント所属
汎用機ミドルウェア開発にはじまりオープン系ユーザアプリケーション構築、全社開発標準策定およびユーザ開発標準策定コンサルティングを経て現在に至る。
システムを作るのは人間を信条に、システム開発に人間系の要素を有効に組み込むことに興味。ちなみに写真は検証と妥当性確認を表すV&Vを表現しています。
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