Akamai、クラウドとセキュリティにおけるトレンドを予測

2024年1月22日(月)

AKamaiは1月15日、クラウドとセキュリティにおけるトレンドの予測を発表した。

予測の内容は以下の通り。

〇マルチクラウドとハイブリッドクラウドの普及によって分散アーキテクチャが実現
企業や組織はマルチクラウド/ハイブリッドクラウド戦略の領域に足を踏み入れ始め、さまざまなクラウドプロバイダーの優れたサービスをビジネスニーズに合わせてカスタマイズし、戦略的に取り込んでいる。この傾向は2024年も続き、組織はクラウド支出に注目する一方、アプリケーションのパフォーマンスと信頼性を高める取り組みに着手している。このアプローチが成熟するにつれて、コストの最適化に加え、分散アーキテクチャの潜在能力を最大限に引き出す技術的および運用上のアジリティの獲得も可能になる。

〇コンピューティングパフォーマンスに対して高まる要求
アプリケーションのパフォーマンス要求の高まりに対応することは、現代の企業が熾烈な生存競争に勝ち残るうえで大きな課題となっている。これはユーザ体験が低品質であればビジネスに悪影響が生じるという懸念からくるもの。現代の消費者は、非常にスムーズで応答性に優れたアプリケーションの操作感を期待する。この点で後れを取ると、不満やブランドの信頼低下、売上減につながりかねない。この課題は、2024年により顕著になる可能性がある。

〇コンピューティングコストの課題に対処するための専門知識が直ちに必要
クラウドインフラ/サービスへの移行を進めていくと、データストレージ、コンピューティング能力、エグレス(出方向の通信)帯域幅に関連する合計コストが急速に財源を圧迫して全体的な収益に影響を及ぼす可能性がある。

〇2024 年に AI を利用するランサムウェアが出現すると予測
ランサムウェア攻撃は絶え間なく行われ、準備が整っていない組織に被害を与える。こうした悪性行為のほとんどに関与しているのがキルチェーンと呼ばれる手法。すでに攻撃者は FraudGPT や WormGPT などのプログラムを通じて 生成AI を攻撃に悪用している。2024年は、攻撃にAIを駆使した新たな戦術が使用され、サイバー犯罪者と企業のどちらがより決定的な行動を取れるかが問われると予測される。

〇サイバーセキュリティが企業の戦略的優先事項となり、IT 部門だけが責任を負うものではなくなる
サイバーセキュリティは、事後対応型から、より積極的なアプローチへと進化している。企業がマルチクラウドプラットフォームやクラウドネイティブアプリケーションの導入を拡大するのに伴い、APIのアタックサーフェスも拡大し、悪用されやすくなる。特に公共部門機関は、個人情報保護の緊急性を強く認識しており、データ漏えいを最小限に抑えるためにゼロトラスト・アーキテクチャの導入が増えると予測される。また、組織にはサプライチェーン保護にも重点を置く必要性が生じる。

(川原 龍人/びぎねっと)

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