日本SGIは11月7日、ビックデータ市場に向けた高密度クラスタサーバ製品「SGI InfiniteData Cluster」を販売開始した。同時に、「SGI InfiniteData Cluster」に大規模データの分散処理に適したHadoopソフトウェアをあらかじめ組み込んだ専用アプライアンス製品「SGI Hadoop Cluster」を販売開始した。2製品は主にHadoopなどを活用した高度なビッグデータ解析を行う企業や大学・官公庁の研究機関、データセンター事業者などへの販売を想定している。
「SGI InfiniteData Cluster」は、膨大で複雑なビッグデータ解析に求められる分散並列処理に最適化されたラックマウント型のクラスタサーバ製品。高密度化を実現するため、高さ1Uまたは2Uの天面が開放されたトレイ型筐体を独自開発し、24インチラックにプロセッサーコアが最大1920個、ストレージは1.9ペタバイトまで搭載可能。高さ2Uのトレイ型ノードには、6コアのデュアル インテルXeon プロセッサーE2600 v2製品ファミリーと、4テラバイトのSATAディスクが12台まで搭載可能で、1つのプロセッサーコアに対して1つのディスクを対応させることができるのが最大の特長となっている。これにより、Hadoopなどを活用した膨大な数の並列計算処理において、複数のCPUコアが1つのディスクに同時にアクセスすることから生じていたディスクI/Oの遅延が解消され、計算処理能力が向上した。各ノード間は10ギガビット・イーサネットで接続される。より高速なFDR InfiniBandもオプションで選択でき、ハイパフォーマンス・コンピューティング用途での高度な計算処理にも対応可能。
「SGI Hadoop Cluster」は、「SGI InfiniteData Cluster」にHadoopソフトウェアを組み込んだSGI初のHadoop専用アプライアンス製品。米クラウデラ社が提供している100%オープンソースのHadoopディストリビューション「CDH(Cloudera’s Distribution Including Apache Hadoop)」、CDH専用管理プラットフォーム「Cloudera Manager」と、SGIのシステム管理ソフトウェア「SGI Management Center」をそれぞれの専用ノードにプリインストールして出荷する。管理ノードや計算ノード、ネットワーク、オペレーティングシステムなど全てのシステム構成をHadoop向けに最適化している。これにより、Hadoopを活用したビッグデータ解析の短期間でのシステム構築と稼動開始が可能になる。
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