マイクロソフト、ITプロフェッショナルを支援する新しいソリューションを発表

2015年5月9日(土)

マイクロソフトは5月4日、米シカゴで開催された「Ignite Conference」において、次世代のWindows管理機能、Microsoft Office、ハイブリッドクラウド基盤、SQL Serverといった、ITプロフェッショナルがエンタープライズコンピューティングの新時代において自社を成功させる上で貢献する多様な新製品とサービスを発表した。

◆パーソナルコンピューティングの強化

  • Windows Update for Businessは、最新のセキュリティアップデートとWindowsの機能によってWindows 10を常に最新の状態に維持するための新しい管理オプション。この新しいソリューションは、管理コストの削減、アップデート展開の統制、セキュリティアップデートや重要な修正への迅速なアクセスを支援し、マイクロソフトによる最新のイノベーションを継続的に提供する。Windows Store for Businessが追加の管理機能を提供し、企業の意思決定者がチームあるいは企業全体に向けて、信頼できるソフトウェアやコンテンツを取得することを可能にする。
  • Windows 10の管理のためのSystem Center Configuration Managerのテクニカルプレビューが利用可能になり、Windows 10を展開、アップデート、またセキュアに設定するための拡張ツールをITプロフェッショナルに提供し、Windows Update for Businessとの統合を実現する。加えて、マイクロソフトはConfiguration Manager 2012と2012 R2の既存顧客向けのサービスパックおよびMicrosoft IntuneのWindows 10サポートのアップデートをリリースする予定だ。

◆プロダクティビティの再発明

  • Office 2016が広範なパブリックプレビュー向けに利用可能になり、世界で10億人以上の人々に利用されている質の高いOfficeデスクトップアプリケーションにアプリ内リアルタイム共有機能を提供する。リアルタイムのプレゼンス機能、そして、テキストや形式の変更をその瞬間に見られる機能により、同僚やチームがコンテンツ作成時に常に同じ情報にアクセスできる。
  • Skype for Business broadcastingは、最大1万人に向けた会議のブロードキャストを可能にする。本サービスは、音声、動画、PowerPointプレゼンテーションのストリーミングにAzure Media Servicesを使用し、センチメントトラッキングのためにBing Pulseを、聴衆との対話のためにYammerと連携できる組み込み機能を提供する。拡張機能により、サードパーティが聴衆による投票、公式な質疑応答などの機能を追加することもできる。
  • Organizational analytics in Office Delveは、Office Graphにより、Office Delveのパーソナライズされた洞察を拡張し、Office 365のデータから得られた組織レベルの分析を個人やチームに提供する。機能豊富なダッシュボードにより、個人の組織内や他のチームとのやり取りに基づいてエンゲージメント、リーチ、ワークライフバランスなどのキートレンドを測定し、監視し、識別できる。
  • SharePoint Server 2016は本年後半にプレビューが提供され、新しいユーザー体験、コンプライアンス、レポート機能などの新機能や機能強化を実現する。この新バージョンにより、オンプレミスのSharePointの顧客は、Office 365によるハイブリッド展開を通じてクラウド上の新機能にアクセスできるようになる。
  • Igniteでデモが行なわれたもうひとつの製品であるExchange Server 2016は、本年後半にプレビューが提供され、新しいアプローチによる文書コラボレーション、より高速でインテリジェントなサーチ、eDiscovery機能の強化、そして、メール、予定表、連絡先の開発者による拡張など、Office 365で最初に提供された新機能を提供する。

◆インテリジェントクラウド

  • 発表された次世代のハイブリッドクラウドは、本年夏にプレビュー版が提供される。Microsoft Azure Stackは、Azureのユーザー体験とIaaS(infrastructure-as-a-service)とPaaS(platform-as-a-service)の機能を顧客のデータセンター向けに提供する。Azure StackによりITチームは、集中型の監視機能を維持しながら、エンタープライズアプリケーションとモダンな分散型アプリケーションやサービスとを容易に融合できる。Azure StackはAzureと同じコアテクノロジで構築されており、マイクロソフトの投資を安全で柔軟性が高いソフトウェア定義型基盤へと拡張する。Windows Server 2016の次のプレビューが利用可能になり、軽量型のインストールオプションであるNano Serverなどのテクノロジにより、エンタープライズとクラウドアプリケーション向けの最高レベルのプラットフォームが提供される。提供開始されたMicrosoft Operations Management Suite (OMS) は、System Centerの機能を拡張するクラウドベースのソリューションであり、Azure、Amazon Web Servicesなどのサードパーティクラウド、Windows Server、Linux、VMware、OpenStackなどほぼすべてのハイブリッドクラウドを横断した管理機能を提供する。OMSは、プレビューが利用可能になるSystem Center 2016の機能を拡張する。
  • 本年夏にプレビューが提供されるSQL Server 2016は、ミッションクリティカルアプリケーション向けのパフォーマンスの大幅な向上と、オンプレミスとクラウドを横断したデータのより高度な分析機能の提供により、データベースとアナリティクスプラットフォームの世界で大きな進化を実現する。主要機能には、リアルタイムのオペレーショナル分析によるインメモリテクノロジの強化、新しいセキュリティと暗号化の機能、R言語による組み込み型の高度な分析機能、そして、オンプレミスデータ向けのモバイルBIなどがある。新しいStretch Databaseは、データを動的にMicrosoft Azureに拡張することで優れたコスト効率で履歴データにアクセスできるようにする業界初のソリューション。
  • Aoratoの最近の買収に基づくテクノロジであるMicrosoft Advanced Threat Analytics (ATA) のプレビュー版が利用可能になった。ATAは、行動分析と機械学習に基づく明確で利用しやすい情報を提供し、ITセキュリティプロフェッショナルがセキュリティ侵害や脅威を識別できるよう支援する。
  • Igniteで紹介されたOffice 365の透明性と統制機能の強化は、マイクロソフトのデータのやりとりに関する明確な許可権限を顧客に提供するCustomer Lockboxなど、Office 365内のデータの可視性とセキュリティの強化機能を顧客に提供する。Office 365は、このレベルのカスタマーコントロールを提供する唯一のプロダクティビティサービス。

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