フルリモート運営と天神放送局のタッグが見せた奇跡ー「Backlog World 2020 re:Union」インサイドストーリーレポート
はじめに
ジャーニーマン(@beajourneyman)と申します。全国で緊急事態宣言が出されて間もない2020/04/18(土)に開催された、年に1度のプロジェクトマネジメントの祭典「BacklogWorld re:Union」の運営メンバーです。
本イベントでは、10名の登壇者がプロジェクトマネジメントをキーワードに知見を惜しみなく共有してくれました。イベントの模様は運営メンバーの巻さん(@makky_tyuyan)が寄稿された記事をご覧ください。
本稿では、イベントレポートがA面なら、B面にあたるインサイドストーリーをお届けします。準備期間1ヶ月で600名を超える申し込みをいただいたオンラインイベントのリアルをお伝えできればと思います。
運営メンバーのご紹介
コロナ禍で緊急事態宣言が発令され、運営メンバーが対面で集まれない逆境の中、いかに短期間でイベントをやり遂げたのかを知る上で、どのようなチーム編成だったかを知るコトは大切なポイントだと思います。そこでまずはメンバーを紹介します。
<メンバー紹介>
・西馬さん◆:運営委員長、全体のマネジメントと方針決定、司会
・大西さん◆:運営副委員長、会計、司会(サブ)、JBUG東京リーダー
・こまみささん◆:司会(楽屋トーク)、JBUG大阪リーダー
・みやひろさん:議事録、JBUG東京副リーダー
・村中さん:配信ディレクター
・中野さん:登壇者担当
・ぐんじさん:セッションタイムキーパー
・巻さん:広報(公式サイト/JBUG公式Twitter)、JBUG札幌リーダー
・神田さん:懇親会担当(当日はご事情により不参加)
・松井さん:天神放送局ライブ配信エンジニア
・新藤さん:天神放送局ライブ配信エンジニア(バックアップ)
・谷山さん:ヌーラボコミュニティマネージャ
・ジャーニーマン◆(筆者):広報(noteオープンコミュニティ報)、司会(サブ)
以上、13名です。多いと感じられるでしょうか? チーム内からの登壇者は◆の4名ですが、多くのメンバーの活躍で、大規模なライブ配信イベントが支えられているコトがお分かりいただけると思います。
何ヶ月も準備したイベントを中止に
中止を決断した日はオフライン開催の運営メンバーキックオフ会から丁度200日目のでした。その2020/02/17(月)は忘れ得ない日です。すでに開催(2/29(土)に大崎ブライトコアで開催)まで2週間を切っていました。
自分の中で決断する最後の1秒まで、開催できないかと粘っていました。元々自分の予定を丸一日確保していたこともあり、開催会場へ自然と足が向きました。そしてリアルに中止を感じることができました。
運営委員長の西馬さんの振り返りです。言葉にならない悔しさを感じていただけるでしょうか。みやひろさんと自分も現地大崎ブライトコアに足を運んだメンバーでした。
そして、2020/03/05(木)にオフライン運営チームは解散しました。昨年夏のキックオフから218日。「BacklogWorld 2020」(オフライン)が幕を下ろした瞬間でした。
諦めない! 再結成したre:Union
中止の発表から#JBUGや#BacklogWolrdのつぶやきで多数の声援をいただきました。皆さんの思いが、再起に向けた大きな原動力になりました。声を寄せていただいた皆さん、本当にありがとうございます。
・02/17(月) オフライン開催中止を運営メンバーで決定
・02/18(火) オフラインで開催を予定していた2020中止のご案内
・02/29(土) 中止後の経過報告 ※中止した2020開催当日
・03/05(木) 2020運営メンバー解散会
・03/16(月) 新メンバーでre:Uinionキックオフ
・03/21(土) re:Union開催のお知らせ
2020/03/16(月)には、オンラインによる開催を決定しました。名前も新たに「BacklogWorld re:Union」としました。中止を決定して1ヶ月あまり、世の中の情勢が刻一刻と深刻度を増していく中の船出でした。再結成に手を挙げたメンバーはオフラインの3分の1でした(メンバー紹介の通り)。
オンラインイベントがまだ認知されていなかった前夜、当時のメンバーは何の配信技術も持ち合わせておらず、どう開催するかも分かっていない状態でした。ただ、世界の激変にも負けない"強い思い"を胸に。フルリモートチームのルール
開催を公表して間もなく、オフライン運営チームの中で課題だった点を改善するため、2つだけ行動指針を定めました。
<2つの行動指針>
・関心を寄せリアクションをする、大いにする
・各々の立場や状況に関心をもち、常に決定を尊重する(議事録著名)
背景を説明します。数十名の関係者がいるとお互いの役割や存在がどうしても認識しづらくなります。メンバー同士がお互いに関心を寄せ合えばグッと連携が深まります。
また、大所帯で意見集約を図り合意形成していくのはとても骨が折れます。運営会議に参加したメンバーが決めたコトを尊重し、議事録に全メンバー著名し、忙しくてタスクをこなせなくても自分ゴトとして捉える仕掛けとしました。
開催まで1ヶ月に満たない準備期間、フルリモートで一度もリアルでは顔を会わせない開催と全てがチャレンジングでしたが、とても大事なチームのカルチャーとなり、大いにワークしました。
天神放送局とのコラボ
フルリモートでコミュニティ初の大規模オンラインライブ配信。全くの未経験だったチームは、当時まだ今ほど認知されていなかった「ライブ配信ユニット 天神放送局」さんのお力を借りるコトになりました。新藤さんとはコミュニティを通した長い付き合いがあり、お声掛けしました。その時の第一声。
「実はジャーニーマンさんにずっとラブコールを送っていたんです」
ライブ配信について天神放送局さんも学びの最中であったコト、JBUGにとってはほぼ未経験な領域であったコト、チャットではなく音声で語り合い「共にやってみる」というマインドが醸成できた濃厚な時間でした。
譲れなかった配信デザイン
前ヌーラボコミュニティマネージャのMeggyさんから、イベント当日にこのようなツイートいただきました。皆さんの温かく熱いリアクションが運営メンバー皆に響いた瞬間でした。
ツイートが横に流れるのすごい。オンラインやけど孤独じゃなくて、めっちゃみんなで参加しとる感ある最高 #BacklogWorld pic.twitter.com/CoueTOpfP1
— Meggy (五十川慈)ヌーラボ (@Megumi_Isogawa) April 18, 2020
しかし、ここまでたどり着くのは険しい道でした。提案者の自分にはこのデザインが、参加者、登壇者、運営全員がリモートのオンライン配信で一体感を得るために必要だと確信がありました。始めは理解されず、続いて機材的な制約で風前の灯火となり、それでも必要なのかと議論が続きました。
3度の壁に打ち当たりながらも、自分の確信は揺るぎませんでした。こだわりを実現してくれた仲間、天神放送局さんの技術力と懐の深さには深く感謝しています。
トラブル続きだった配信リハーサル
デザイン、配信素材、機材周りの準備を急ピッチで進め、初回の配信リハーサルを行ったのは本番1週間前でした。リハーサルは日を跨ぎましたが「このままだと間違いなく失敗する…」誰もがそう感じる品質でした。
原因はフルリモート配信に必要な台本がないコトでした。台本がなければ、配信基盤を準備してくれた配信エンジニアも、登壇者も運営メンバーでさえ、いつ誰が何をするのか分からない状況でした。チーム一丸となってやり遂げる決意を強くしました。
難しい役目を引き受けてくれたのは、配信ディレクターの村中さんです。登壇者対応は中野さんが実施し、二人三脚で台本と説明、登壇者とのリハーサルを行うコンビが誕生しました。当日も含めた残り日数は毎日リハーサルと資料のブラッシュアップをする離れ業を見せてくれました。
さらに、当日は5時間を超えるイベントの要となるタイムキーパーをぐんじさんが引き受けてくれ、配信ディレクショントリオが誕生。天神放送局を加えた配信チームが素晴らしいオペレーションで走り切りました。
迎えた当日と皆さんの熱量
イベント本編の模様については、冒頭でも紹介したように広報を担当した巻さんが寄稿しています。登壇者の持ち味が光るレポートとなっています。
天神放送局さんの動画アーカイブ、公式ツイートまとめ、登壇者のスライド、そして多数のイベントレポートまで以下の資料一覧にまとまっています。あの日の熱量を追体験いただけますので、是非ご覧ください。
オフラインの3倍を超える634名の申し込みをいただき、約400名の方が同視聴、期間前後のツイートは3,500を超えました。参加者、登壇者、運営がまさに「One」、ひとつになったイベントでした。関わっていただいた全ての皆さん、ありがとうございました。
最後に皆さんに伝えたいコト
レポートのまとめとして、皆さんに読んでいただきたいチームメンバーの思いが溢れたnoteを3本紹介します。
<配信担当の天神放送局新藤さんのnote>
One 〜オンラインでセカイ(World)がひとつになった話〜
<登壇者担当の中野さんがメンバーを全員紹介したnote>
Backlog World 2020 re:Union オンラインを支えたチームを紹介したい
<運営委員長の西馬さんのnote>
BacklogWorld 2020 はプロジェクトそのものだった
他にもみやひろさん、松井さん、巻さん、こまみささんと多数のメンバーが思いを綴っています。以下の「JBUG オープンコミュニティ報」にまとめていますので、こちらもご覧ください。
今回は企画・運営した立場でしたが、まさに「最高のチーム・最高のイベント」だったと感じています。皆さんの記憶に残るオンラインイベントとなったのであれば嬉しいです。
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