ERPパッケージ全体市場における業務ソリューション別売上比率
ERPパッケージのライセンス売上高(エンドユーザ渡し価格ベース)のモジュール別売上比率を算出した(表1)。
ERPパッケージにおけるモジュール比率で最も高いのは「財務会計」で、2004年は38.2%の比率となっている。次いでモジュール比率が高いの は「人事給与」で、2004年は23.8%となっている。また、バックオフィス系業務ソリューションである「財務会計」と「人事給与」を足すと全体の 62.0%となる。
販売管理/CRMソリューションは2004年に16.1%、生産管理/SCMソリューション(組立製造業向けと加工製造業向けを足したもの)は15.8%となり、両者の比率に大きな差は見られない。
年商規模別/ERPパッケージの業務ソリューション別売上高
次に、ユーザ企業の年商規模別による業務ソリューション別の売上比率を算出した(図1)。

図1:ユーザ企業の年商規模別/ERPパッケージの業務ソリューション別ライセンス売上高の2003〜2005年の推移(エンドユーザ渡し価格ベース)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
年商規模別に見ていくと、年商規模が低い企業向けのソリューションほど「財務会計ソリューション」の比率が高い傾向となっている。また、この傾向は 「人事給与ソリューション」や「販売管理/CRMソリューション」についても同様の傾向といえる。しかし「人事給与ソリューション」については、年商 1,000億円以上の企業向けソリューションで、26.7%と高い比率を示している。
これは国産系ERPパッケージベンダーである、ワークスアプリケーションズの「COMPANY」が年商1,000億円以上のマーケットで好調に販売されていることや、SAPやOracleが大企業向けHR(人事管理)ソリューションに注力したことが市場に反映されている、といえよう。
一方で年商が高い企業向けの方が比率の高いソリューションは「生産管理/SCMソリューション」や「その他ソリューション」である。「その他ソリューション」の主な内容はSRM(調達購買管理)、BI(ビジネスインテリジェンス)などのソリューションとなっている。
この結果からいえることは、年商500億円以下の中堅・中小企業においては基幹業務である「財務・給与・販売」の3業務がERPパッケージの中心である。それに対して年商501億円以上の準大手・大企業においては、従来の基幹業務に加えて生産管理でのERP導入、またERPの拡張ソリューションであ る「CRM、SCM、SRM、BI」といった範囲までERPの導入を進めているということだ。
