ERP市場の実態と中期展望 4

「販売管理/CRMソリューション」のライセンス売上高シェア

「販売管理/CRMソリューション」のライセンス売上高シェア

ERPパッケージ全体市場における「販売管理/CRMソリューション」でトップはSAP Japanになり、シェアは17.9%である。次いで住商情報システムのProActiveが「販売系ソリューションの強み」をいかして2位、シェアは11.5%である。

販売管理/CRMソリューションの2004年実績のライセンス売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
図4:販売管理/CRMソリューションの2004年実績のライセンス売上高シェア
(エンドユーザ渡し価格ベース)


3位は富士通のGLOVIAで9.0%、4位は「中小企業向け販売管理」で定評のある内田洋行のSuper Cocktailで8.9%、5位は富士通のGLOVIA-Cで8.8%%となっている。

販売管理/CRMソリューションマーケットでは、首位のSAP Japanが2位以下の製品を少し放したポジションにあるが、2位以下6位のOBIC7(シェア7.7%)までは、シェアポイント差もわずかでベンダー間の競合が激しい。

海外系ERPパッケージでは「販売管理」のほかにCRMソリューションを拡張機能として備えている製品が多いが、国産系ERPパッケージでは、財務会計と連携する基幹業務の販売管理機能のみとなっている。

「生産管理/SCMソリューション」のライセンス売上高シェア

生産管理/SCMソリューションについては、組立製造業向けと加工製造業向けに分けて解説する。

組立製造業向け生産管理/SCMソリューションのライセンス売上高シェア

ERPパッケージ全体市場における組立製造業向けの「生産管理/SCMソリューション」でトップはSAP Japanになり、シェアは35.0%とダントツである。次いで組立製造業向けのBOM(部品表管理)で定評のあるBaanを買収したSSAグローバルが「生産管理ソリューションのノウハウ」をいかして2位、シェアは14.3%である。
 

生産管理(組立)/SCMソリューションの2004年実績のライセンス売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
図5:生産管理(組立)/SCMソリューションの2004年実績のライセンス売上高シェア
(エンドユーザ渡し価格ベース)


3位は富士通のGLOVIA-Cで13.0%、4位は同じく富士通のglovia.comで12.8%、5位は日本オラクルのOracle EBSで6.0%と続く。生産管理/SCMソリューションマーケットでは、首位のSAP Japanが2位以下の製品を大きく放し首位の牙城を築いている。

加工製造業向け生産管理/SCMソリューションのライセンス売上高シェア

ERPパッケージ全体市場における加工製造業向けの「生産管理/SCMソリューション」でのトップは組立製造業向け生産管理/SCMソリューションと同様にSAP Japanになり、シェアは29.5%である。
 

生産管理(加工)/SCMソリューションの2004年実績のライセンス売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)
図6:生産管理(組立)/SCMソリューションの2004年実績のライセンス売上高シェア
(エンドユーザ渡し価格ベース)


次いで加工製造業向けの生産管理で定評のあるSSAグローバルが「生産管理ソリューションのノウハウ」をいかして2位、シェアは20.8%である。3位はインテンシアのMovexで8.3%、4位は日本オラクルのOracle EBSで6.9%、5位は富士通のGLOVIAで6.6%と続く。

最後に

4回にわたりERP市場の動向について述べてきた。中堅企業向けERP市場が今後も拡大することが期待される一方で、大手企業向けERP市場は 2007年には日本版SOX法の施行がほぼ決まりそうだ。2007年問題とも相まって、再び市場の動きが激しくなることが予想される。真のユーザオリエン テッドなERPソリューションによって企業経営がより一層活性化されていくことを期待している。

 

書籍紹介
「競合激化・機能拡張する 2004-2005 ERP市場の実態と戦略展望」

本記事は矢野経済研究所より発刊されている「競合激化・機能拡張する 2004-2005 ERP市場の実態と戦略展望」から抜粋し、加筆、修正を行ったものです。上記調査資料には、さらに詳しいデータや分析結果が記載されています。

 

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