ユーザ企業の年商規模別ERPパッケージのライセンス売上高の推移
ユーザ企業の年商規模別にERPパッケージのライセンス売上高(エンドユーザ渡し価格ベース)の出荷比率を算出した。本データは調査対象先のERPパッケージベンダー各社におけるユーザ企業の年商規模別の出荷比率を積み上げて算出を行った。
2002〜2004年まではERPパッケージベンダーの実績値の積み上げとなっており、2005年についてはERPパッケージベンダー各社の見込み値を元に矢野経済研究所にて推定を行った。また、2006年〜2008年までの数値については矢野経済研究所にて独自に市場の推定を行った。
2004年実績の年商規模別のCAGR(年平均成長率)を見ると、年商100億円以下の企業向けが最も高く19.9%となっている。また、年商 101〜500億円の企業向けにおいてもCAGRは13.2%と二桁の成長を示しているが、年商501〜1,000億円の企業向けではCAGRが1.7%、年商1,001億円以上の企業向けではCAGRが-10.4%となっている。
このことから、年商500億円を境にそれよりも高い年商規模のユーザ企業向けERPパッケージ市場が成熟期に突入しており、また2004年は特に年商1,001億円以上の超大手企業向けでの需要の一巡感が著しかったといえるだろう。
また、ユーザ企業の年商規模別による市場占有率を見てみると、2003年までは年商501億円以上の企業向け出荷額が、市場全体の57.0%と半数以上を占めていたが、2004年には48.0%と年商500億円以下の企業向け出荷額が半数を超えた。
2003〜2004年にかけてERPパッケージ市場は年商501億円以上の「大手企業向け」と年商500億円以下の「中堅企業向け」でほぼ市場を二分したが、この傾向が今後も続くだろう。

