Antとは
AntはApache Antプロジェクトが提供しているビルドツールです。
EclipseなどのIDEを使っていると忘れてしまいがちですが、Java Webアプリケーションを実行するまでには、ソース編集 → コンパイル → パッケージング → デプロイという流れの作業が必要になります。これら一連の作業を記述しておき、コマンド一発で呼び出すのがビルドツールです。
Antもビルドツールの一種ですが、Antは以下のような特徴を持っています。
- Ant自体はJavaで書かれている
- ビルドファイルをXML形式で記述する
- さまざまな「タスク」が提供されている
Javaで書かれており、XMLでビルドが記述されているため、同じビルドファイ ルでマルチプラットホームに対応できます。また、さまざまな既存タスクを利用することにより、単にパラメータを指定するだけでパッケージング、デプロイと いった処理を苦労せず実現することができます。
AntのWebサイトはhttp://ant.apache.org/になります。

図1:AntのWebサイト
AntのライセンスはApacheライセンスで、ユーザは無償で利用することができます。また、既に広く利用されており、安心して利用できるツールです。
※注:ここでは、Eclipseとの連携に絞って説明しているため、ビルドファイルの基本などについては説明しません。Antの基本について知りたい方は、「Ant翻訳マニュアル
(http://www.jajakarta.org/ant/ant-1.6.1/docs/ja/)」などを参考にしてください。
EclipseのAnt機能を使ってみよう
Eclipseでは、Antが非常によく統合されており、簡単にビルドの記述や実行を行うことができます。いくつかの例を示しながら、EclipseのAnt機能を紹介していきます。
例1 Webアプリケーションのパッケージング
まず、簡単なパッケージングの例を紹介しましょう。第8回で作成したmyjsfプロジェクトのパッケージング、デプロイを行うビルドファイルを作成します。
ビルドファイルの作成
ビルドファイルは、通常のファイル(Eclipseメニューからファイル → 新規 → ファイル)として作成します。ただし、デフォルトでは名前を「build.xml」とする必要があります。以下はmyjsfプロジェクト直下に build.xmlという名前のファイルを作成したところです。

図2:ビルドファイルの作成