Eclipseで実現するリッチクライアントの世界 1

他とは異なるEclipse RCPの特徴

はじめに皆さん、こんにちは。本連載を担当します、ビーブレイクシステムズの横井です。本連載ではリッチクライアント技術として、またクライアントサイドへ のJavaの普及の鍵を握る技術として注目を浴びているEclipse Rich Client Platform(Eclipse RCP)について取り上げ

横井 朗

2005年9月12日 20:00

はじめに

皆さん、こんにちは。本連載を担当します、ビーブレイクシステムズの横井です。本連載ではリッチクライアント技術として、またクライアントサイドへ のJavaの普及の鍵を握る技術として注目を浴びているEclipse Rich Client Platform(Eclipse RCP)について取り上げます。

なお、現在ではEclipse 3.1もリリースされていますが、今回の説明では日本語化も行われているEclipse 3.0ベースで進めます。連載の最後でEclipse 3.1についても簡単に触れることにします。

なお、Eclipseに関する基本的な操作方法や概念は理解していることを前提に進めますので、自信のない方は「Eclipse3ではじめるJava Webアプリケーション開発」に目を通した方がよいでしょう。

Eclipse RCPとは

Eclipse RCPとはEclipse 3.xから利用可能になったリッチクライアント環境を構築するためのプラットフォームで、Eclipseからリッチクライアント構築に必要な最低限のプラグインセットを切り出したものです。

リッチクライアントというと、商用であればFlex/Biz/Browser/Curl、オープンソースであればAJAX/Open Laszloなどがあげられ、Webブラウザ上での動作をイメージする方が多いと思いますが、Eclipse RCPはそれらと比較すると大きく異なります。大きな違いとして以下のような点があげられます。

  • Webブラウザ上で動作するものではない
  • Eclipse RCP単体では配信のしくみを持たない
表1:Eclipse RCP特有の仕様

これでリッチクライアントと呼んでよいの?という印象を持たれる方もいらっしゃると思いますが、リッチクライアントという言葉自体が自然発生的にでてきたもので、厳密な定義があるわけではありません。メディアやベンダーによって定義があいまいですが、最低限以下の2点を満たしていればリッチクライアントということができるでしょう。

  1. 高い操作性を実現していること
  2. クライアントへのソフトの配布が容易であること
表2:リッチクライアントとしての最低限の機能
 

先ほどEclipse RCP単体では、配布ができないと述べましたが、周辺の技術と組み合わせることで配信を容易に行うことができますので、2も満たしていると考えてよいでしょう。

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