教育現場におけるオープンソース実証実験 1

OSDS実験の概要

はじめに   「Linux PCはデスクトップPCとして本当に使えるのか?」その妥当性を検証するための実証実験プロジェクトが、2004年10月から2005年5月まで実施されました。

飯尾 淳

2005年7月22日 20:00

はじめに

   「Linux PCはデスクトップPCとして本当に使えるのか?」その妥当性を検証するための実証実験プロジェクトが、2004年10月から2005年5月まで実施されました。

   本プロジェクトでは、つくば市と岐阜県の小中学校に合計300台を超えるデスクトップLinux PCを導入し、このLinux PCを活用したIT活用授業が進められています。今までに3,000名以上の児童・生徒がLinuxを使って様々な学習を進めてきました。

   本連載では、このプロジェクトで実際に行なわれたLinuxデスクトップの活用例や学校で効果的に使用するための工夫、開発したシステムの紹介など、小中学校へのLinux導入事例を裏話を交えて紹介します。

プロジェクトの目的

   本実証実験プロジェクトは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の2004年度オープン ソースソフトウェア活用基盤整備事業の一環として「学校教育現場におけるオープンソースソフトウェア活用に向けての実証実験」とのタイトルで実施されたプ ロジェクトです。タイトルが長いので、このプロジェクトをOSDS(Open Source Desktop for Schools)と呼んでいます。OSDSは、プロジェクトをとりまとめた三菱総研の他、表1に示す9社がIPAの支援を受けて実施しました。


三菱総合研究所 全体とりまとめ、評価、情報発信
アルゴ21 岐阜県実証実験サポート
キヤノン つくば市実証実験プリンタサポート
サン・マイクロシステムズ つくば市Linux OSサポート
ジャストシステム 一太郎サポート
シャープシステムプロダクト 共同学習システムサポート
日本アイ・ビー・エム クラスルームPC管理ソフトウェア開発
ターボリナックス 岐阜県Linux OSサポート
ビジネスサーチテクノロジ つくば市実証実験サポート
表1:実証実験参加企業と主な役割
 

   OSDSでは、デスクトップとして導入したLinux PCを教員・児童・生徒が実際に利用し、既存の教材ソフトや教育用コンテンツがLinuxでも使えることを示しました。またその過程でLinuxはデスク トップ用途として十分な機能を持つか、操作は簡単かどうか、といった項目を評価しました。さらに、サポートが不可欠であることを想定したうえで、妥当性の あるサポート方法を検討しました。


数のインパクト 大規模なLinux導入実証実験
実用性の改善 検証だけでなく課題解決も実施
運用負荷軽減 OSSサポートビジネス創出の検討
表2:OSDS実験の狙い

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