GroundWork Monitorのまとめ

2009年12月22日(火)
矢吹 洋一

GroundWork Monitorのまとめ

以上、GWMについて説明してきましたが、概要、特徴についてまとめておきます。

  • オープンソースの統合監視ソフト
  • Linuxで動作
  • 統合監視ソフトのNagiosをベースに、GUIベースの設定を行えるようにした。Nagiosそのもののインターフェースもある
  • JBoss、Apache、MySQLなど多数のオープンソースがベース(図3のように、Bookshelfの「OPEN SOURCE REFERENCE」に、使用しているソフトの一覧が表示される)
  • 専用サーバーで動作させることを推奨(多数の関連ソフトを動作させていることもあり、監視対象ホスト/サービスが多い場合はGWM専用サーバーを推奨)
  • 管理/監視画面がWebアプリケーション(1つの画面に表示される項目が多いので、解像度の高いディスプレイでWebブラウザを開くとよい)
  • オープンソース版(Comminity Edition)のほかにサポート付きの有償版(Enterprise Edition)がある(有償版の機能がいくつかオープンソース版では欠けている。なお、プレセンチアや富士通SSLがGroundWork Monitorに関するサービスを提供している)

なお、実際に使用してみた感触ですが、インストールも特に引っかかるところもなくスムーズに行き、設定操作、監視表示なども、すべての機能を試したわけではありませんが、不安定なところは無く、完成度は高いと感じました。

最後に

オープンソース・ソフトの統合運用監視ツールとしてGroundWork Monitorについて説明してきましたが、ほかにもOSS統合運用監視ツールはたくさんあります。日本では、ZabbixやHinemosと言ったところが有名で、情報量が多く、ユーザーも多いのではないかと思います。

現在、「OSS統合監視ツール推進協議会」という団体があり、上記のような有力ツールの関連ベンダーが集まり、OSS統合監視ツールを広めていこうとしています。筆者は、2009年11月25日に同団体が主催した「オープンソースによる統合運用監視の勧め」というセミナーに参加してきました。

このセミナーでは、Hinemos、Zabbix、GroundWork Monitor、それにMySQL Enterprise Monitorについて、各ベンダーが紹介を行っています。今後も、各ツールの利用方法などの情報が、分かりやすいかたちで提供されるのを期待しています。また、これらのツールについては、OSSで時々問題になる、サポートに関する心配が要らないという特徴があります。

以上で連載は終わります。「オープンソースで手軽に運用管理」というテーマからすると、運用管理分野のごく一部しかカバーすることができませんでしたが、本連載が読者のシステム運用管理の一助になれば幸いです。

【参考文献】

GroundWork社GroundWork Community Editionサイト」(アクセス、2009/12)
GroundWork日本語コミュニティ・サイト」(アクセス、2009/12)
OSS統合監視ツール推進協議会サイト」(アクセス、2009/12)

SRA OSS, Inc. 日本支社
オープンソースソフトウエアという言葉が無かった時代から、OSS的なものを仕事の糧としてきて早20年。現在では「泥縄式」で色々なオープンソースソフトウエアをサポートするのが主たる仕事になっている。

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