インテルの最新Xeonプロセッサーを知る
今やITインフラはビジネスをより効率良く展開していくために必要不可欠なものとなっている。業務形態は急速に変化を遂げており、ITインフラはビジネスの成長と共に見直す必要がある。そういった環境の中で、企業は限られた予算の中で規模の増大に伴う電力消費、機材設置面積の増大に対応していく必要がある。
こういったニーズに応えるべくインテルではサーバー向けプロセッサー、「インテル Xeon プロセッサー」(以下、Xeon)を常に進化させてきた。昨年秋にXeon 3400番台、今年に入ってからXeon 5600番台、7500番台といった製品を発表している。
Xeonプロセッサーの型番による違い
- Xeon 3400番台
- 1ソケット・サーバー、ワークステーション用途で比較的処理量の少ない小規模サーバーをローコストで構築する場合に適している。
- Xeon 5600番台
- サーバーの主力となる2ソケット・サーバー向けの最新の製品で、昨年発表したXeon 5500番台をさらに進化させた先進32nmプロセス技術に基づく6コアのサーバー向けプロセッサーである。
- Xeon 7500番台
- ハイエンド用途である4ソケット以上のサーバー向け製品である。インテル マイクロアーキテクチャー Nehalem世代の8コアのプロセッサーであり、前世代のXeon 7400番台に比べ、機能、性能面で大きな進化を遂げたハイエンド・サーバー向けプロセッサーである。
いずれにしても、一口にサーバーと言ってもさまざまな形態があり、それぞれ特質を持っている。1ソケット・サーバーはコスト重視、4ソケット以上のサーバーは信頼性重視など、インテルではそれぞれの用途に適した製品を用意し(図1)、ITの現場のさまざまなニーズに応えている。
図1:データセンターのロードマップ(クリックで拡大) |
インテルのプロセッサー開発モデル
インテルは2006年に発表したインテル Coreマイクロアーキテクチャーの世代から独自の製品開発戦略、Tick-Tock開発モデルによる製品開発を進めている(図2)。Tick-Tock開発モデルは、「Tick」(プロセスの微細化)と「Tock」(アーキテクチャー革新)を交互に繰り返すことにより製品開発を進めていくモデルで、この開発サイクルは今日も堅持している。
「プロセスの微細化」とは、プロセッサーの製造プロセス(微細化)を進めることである。最新のXeon 5600番台では32nmプロセスにより製造されている。インテルは、前世代の45nmプロセスからHigh-kメタルゲート・トランジスタを採用し、現在最新の32nmプロセスでは、第2世代のHigh-kメタルゲート・トランジスタを採用している。
プロセス革新のもたらすメリットは以下が上げられる。
- 単位面積あたりの集積度を上げることができる
- 素子の微細化によって素子のスイッチング速度を高速にできる
このように、プロセスの微細化はプロセッサーを進化させる非常に有効な手段の1つである。昨年の9月には次世代の22nmプロセスによるSRAMのデモンストレーションを行った。 ムーアの法則に沿ったプロセスの微細化に向けた研究開発は今日も続いている。
また、プロセッサーの性能向上に有効な手段としてプロセッサー・アーキテクチャーの革新がある。このプロセス技術の微細化とアーキテクチャーの刷新というふたつの革新を1年ごとに繰り返すことは、技術革新に伴うリスク分散の意味合いがある。プロセスの微細化とアーキテクチャー革新を同時に実行するのはリスクが大きいという考え方だ。
さらには、アーキテクチャー革新だけに着目するとおよそ2年ごとに実行されることになるが、新しいアーキテクチャーの開発には当然その倍以上の時間を費やしている。そのためにインテルでは複数のアーキテクチャー開発グループが同時に開発を進めており、それぞれの「Tock」で動いている。こうすることによって、見かけ上はおよそ2年ごとにアーキテクチャー革新がされる。
図2:プロセスの微細化とアーキテクチャー革新を交互に繰り返すTick-Tock開発モデル(クリックで拡大) |
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