ネットワーク障害と管理ツールの機能

2010年12月17日(金)
新納 辰見

SGスイッチとVNMの連携

VNMは、SNMPマネージャに相当するサーバー・モジュール(VNM Server)と、そのリモコン・ソフトであるクライアント・モジュール(VNM Client)の2つで構成する。

VNMの推奨動作環境は、以下の通りである。

PC要素 スペック
OS Windows XP/Vista、Windows Server 2003
CPU Intel Dual Core 2.6GHz以上
メモリー 2Gバイト以上
HDD 160Gバイト以上


このスペックで、50台程度のSGスイッチを管理できる。数台程度の管理であれば、メモリー、HDDともに、半分程度のスペックで構わない。筆者たちも、テスト環境をVMWare上に仮想マシンとして構築しているが、何も問題なく動作している。稼働OSも今後拡充されていくだろう。

VNMを使ってSGスイッチを管理するためには、スイッチ側にも設定が必要だ。今回は、この設定について紹介する。初期設定としてSGスイッチ自身の管理用IPの設定とMDSの設定が終わっているものと仮定すると、追加で必要な設定は、以下の2点だけになる。

  1. VNM ServerのIPアドレスを指定する
  2. SNMPコミュニティ名を指定する(read onlyおよびread write)

VNM Server自身は冗長化の機能を持っていないが、1台のSGスイッチから最大10台のVNM Serverを指定できるので、故障時にログを保全する必要があるケースでは、複数のVNM Serverを用意しておくのも1つの手だ。コミュニティ名の"SG2024_ro"や"SG2024_rw"は、あくまでも例であり、管理しやすい名前を付けるとよいだろう。

SG2024> enable
SG2024# configure terminal
SG2024(config)# mds log-server 192.168.100.1 <= VNM Serverの指定
SG2024(config)# snmp-server community ro SG2024_ro <= SNMPコミュニティ名(read only)の設定
SG2024(config)# snmp-server community rw SG2024_rw <= SNMPコミュニティ名(read write)の設定
SG2024(config)end
SG2024#write <= 設定内容の保存

前回解説したMDSの設定に必要なコマンドと、今回のVNM Serverとの連携に必要なコマンドは、合計しても10行に満たない。こうして、スイッチ側で稼働状況や脅威を監視する準備が整ったので、次回(最終回)は、VNMのインストール方法と、VNMでどのような管理ができるのかを、なるべく画面ショットを含んだかたちでご紹介する。

株式会社ネットワールド

1990年 ネットワールド創立当初からのメンバー
自社製ハードウェアのサポート、Lotus Dominoのインストラクターを経て2001年よりセキュリティ関連製品のサポートに従事

連載バックナンバー

Think ITメルマガ会員登録受付中

Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think ITメルマガ会員のサービス内容を見る

他にもこの記事が読まれています