ソースコードのファイル配信
スクリプトの使い方
スクリプトは主に5つのステップで構成されています。
- パラメータ設定
- 初期設定
- バックアップ
- 配信
- 最終処理
スクリプトを実行する前に、まずはパラメータ設定部分を自分の環境にあう形で修正しておいてください。
# パラメータ設定 SVR_FROM=1 # サーバー番号始まり SVR_TO=2 # サーバー番号終わり。サーバー台数が増えた場合変更してください。 SRC_DIR=/var/www/html # ソースコードが置かれているディレクトリ
パラメータの変更が終わったらいよいよスクリプトを実行します。
$ sh ssync.sh
エラーが出なければ成功です。
よくあるトラブル
実際に配信の運用を開始してみると、いろいろなトラブルに遭遇します。ここではよくあるトラブルをいくつか紹介してみたいと思います。
ディスク容量が満杯
配信途中で配信先のディスク容量が満杯になった場合、当然ながらそれ以降配信に失敗します。しかしサーバー台数が増えれば増えるほど、そのことに気づかない場面も増えてきます。この状況を防ぐためには、別途サーバーリソース監視の仕組みを入れ、残ディスク容量を常時把握するか、もしくは配信の度に配信ログをきちんとチェックすることが必要となります。
システム日時がずれていた
rsyncに限らず、配信の仕組みではたいていファイルの日付差異でファイルを配信するかどうか判断します。よってサーバーのシステム日時がずれていたら配信ミスが高い確率で発生するようになります。この状況を防ぐためには、各サーバーにNTPなどの仕組みを使ってきちんと時刻合わせしておくことが必要となります。
権限設定が間違っていた
ファイルを配信する場合、配信元と配信先共に関連ディレクトリに適切な権限設定が施されている必要があります。特に普段はrootアカウントでシステム設定を行うが、スクリプトの実行は一般ユーザーアカウントで行う、といった場合に権限の設定漏れが起きやすいので気をつける必要があります。
マルチキャスト配信
以前マルチキャストを使って各Webサーバーにソースコードを一斉配信できるソースコード配信ツールを某社VPSサービス上で使っていたことがあります。しかしマルチキャストを使うと他の顧客のサービスに問題が出たので利用を差し控えてほしい旨依頼があり、利用を取りやめました。
同期に限らずマルチキャストは通常あまり用いられない通信方法なので、マルチキャスト通信を行う場合は必ずそこのシステム管理者に相談してからにしたほうが安全なようです(rsyncの場合はユニキャスト配信となりますので今回のスクリプトでは関係ない話ではありますが)。
図2:配信の運用でよくあるトラブル |