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改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - サーバ編
第3回:データレプリケーションとWebサーバの構築の基本
著者:
日本ヒューレットパッカード 古賀 政純
2006/6/8
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rsyncによるデータレプリケーション
今回はRHEL4でrsyncコマンドを使ったデータレプリケーションによるバックアップ環境の構築方法について解説します。
rsyncコマンドを使ったデータレプリケーションは、LAN経由によるDisk To Diskバックアップとも呼ばれています。これはバックアップ対象のサーバとバックアップサーバがLANで接続されており、バックアップサーバ側はテープ装置ではなくハードディスクにバックアップデータを保管するからです。
この接続しているLANは、通常だと業務用のLANとは別にバックアップ専用のLANを敷設し、その専用のLAN経由でrsyncコマンドを実行します。
rsyncコマンドの利点は、なんといっても
差分バックアップが可能
という点です。
はじめにフルバックアップを取っておけば、次回以降では差分バックアップを行うためバックアップ時間は初回時に比べて非常に短くなります。そのためデータ容量が大きくても比較的更新の少ない部門サーバでは、rsyncコマンドによる差分バックアップが威力を発揮します。
rsyncコマンドの他にもLAN経由のDisk To Diskバックアップを行うコマンドとしてrcpコマンドやscpコマンドがあげられますが、これらは差分バックアップの機能を持っていません。そのため常にフルバックアップを取るので、バックアップ時間が膨大にかかってしまいます。
rsyncコマンドによる差分バックアップは、バックアップ時間を大幅に短縮できることからデータをレプリケーションするという環境において非常に有用なツールといえるでしょう。
rsyncコマンドによるバックアップはOSがインストールされているシステムディスクにも適用できますが、一般的にはWebサーバのコンテンツやファイルサーバのユーザデータなどに適用します。
rsyncコマンドによってバックアップを行う環境の構築
それではWebサーバに保存されているWebコンテンツを、rsyncコマンドによってバックアップを行う環境構築の例を示します。このWebサーバには/workにWebコンテンツが保存されており、このディレクトリ配下をバックアップ対象とします。
今回はWebサーバに対して、LAN接続によるDisk to Diskバックアップを行うとします。Webサーバのホスト名は「BL20pG3Svr」です。バックアップ対象とバックアップ計画を立てた後、バックアップサーバの設定を行います。
バックアップ対象
ホスト名:BL20pG3Svr
Webサーバ上にある/work以下
バックアップサーバ
ホスト名:DL585BackupSvr
バックアップサーバの/data1にバックアップデータを保管
バックアップ計画
バックアップサーバは、土曜日の午前0時0分にバックアップをとるようにスケジュール
バックアップサーバ上からrsyncコマンドにより、Webサーバ上の/work以下をバックアップサーバ上の/data1以下にバックアップ
表1:バックアップ対象/バックアップサーバ/バックアップ計画
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著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社
古賀 政純
2000年よりUNIXベースのHAクラスタシステム及び、科学技術計算システムのプリセールスに従事。並列計算プログラミング講習会などを実施。その後、大手製造業及び官公庁系の大規模Linuxクラスタの導入、システムインテグレーションを経験。現在は、大規模エンタープライズ環境向けのLinuxブレードサーバ及びHP Serviceguard for Linux(HAクラスタソフトウェア)のプリセールスサポート、システム検証を担当している。毎日、Linuxサーバと寝食を共に(?)しています。
INDEX
第3回:データレプリケーションとWebサーバの構築の基本
rsyncによるデータレプリケーション
バックアップサーバの設定
Webサーバのシステム構成例
コンテンツ集約と負荷分散