GooglePlay、YouTubeも導入しているマイクロデータschema.orgとは?
リッチスニペットツールで見てみよう
マイクロデータでマークアップした内容が、検索エンジンにどのように処理されているのか、確認できるツールがあります。それが、Googleが提供しているリッチスニペットツールです。第1回の記事でもこのツールについて触れましたが、その後、筆者がこの記事を執筆している間に、UIが変更になりました。現時点でのUIはマークアップした箇所をそのままコピーして、テキストボックスに入れるだけで、確認ができるようになっています。
図4:リッチスニペットツール(クリックで拡大) |
では実際に、Movieのitemtypeのみでマークアップをしたものをリッチスニペットツールで見てみましょう。
図5:リッチスニペットツール実例1(クリックで拡大) |
item type: http://schema.org/movie name = 映画:タイタニック director = ジェームズ・キャメロン actors = レオナルド・ディカプリオ actors = ケイト・ウィンスレット description = アカデミー賞11部門を受賞した、ジェームズ・キャメロン監督、レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット主演の大ヒットラヴストーリー
itemtypeにはMovieがセレクトされています。そして、nameにはタイタニック、directorにはジェームズ・キャメロン、actorsにはレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットのデータが認識されています。検索エンジンボットは、言語を認識していないと過程した場合、この意味づけは、その文書を理解するための非常に大きな手がかりになることが分かります。
では、さらにここで、itemtypeにMovieとPersonを用いたものをリッチスニペットツールで見てみましょう。
図6:リッチスニペットツール実例2(クリックで拡大) |
item Type: http://schema.org/movie name = 映画:タイタニック director = Item(1) Item(1) Type: http://schema.org/person name = ジェームズ・キャメロン
今度は、itemtypeが2つ表示されました。まずはMovieのitemtypeがあり、そのdirectorがさらに別のPersonというitemtypeで「人の名前」であることを意味づけられています。
このツールはエラーの警告もしてくれます。例えば、schema.orgのつづりをshema.orgと間違って記載します。すると図のように、「warning」とエラーメッセージが表示されます。
この場合は、itemtypeが認証されていないという内容のエラーになっているようです。
図7:リッチスニペットツールのエラー警告(クリックで拡大) |
セマンティック・ウェブとこれから
3回にわたり、HTML5の持つ「セマンティック」に触れながら、マイクロデータや構造化マークアップについて説明してきました。セマンティック・ウェブの大切さとメリット、また導入イメージを持っていただけたでしょうか。
セマンティック・ウェブを意識したマークアップは非常に大切ですが、一方で、今まで以上の手間のかかる作業かもしれません。しかし、これが導入側のボランティアで終わることはありません。セマンティック・ウェブを意識したマークアップを行うことは、私たちサイト導入側にとってもメリットがあります。
今までに挙げてきたリッチスニペットは、そのメリットの代表的な例です。現時点では、検索結果UIにあまり目立った表示はありませんが、今後は画像や評価、様々な属性が表示されることがあるかもしれません。。Googleが2012年3月に発表したセマンティック検索の導入についても同様です。セマンティック・ウェブをもっと広めていくための動きは、今後活発になるかもしれません。
しかし、このことでメリットを1番感じることができるのは、私たちが1人のユーザーになった時なのではないでしょうか。文書構造を伝えるHTML5と、詳細な要素を伝えるマイクロデータでウェブ全体が大きなデータベースになります。必要な情報を、必要な時に、必要と思えるものとして得ることができる、そういった世界がセマンティック・ウェブで実現します。
これらの発展でウェブの世界は今まで以上に利便性の高い、充実した世界になるかもしれません。これを読んで頂いた皆さまに、セマンティック・ウェブの重要性を少しでもご理解頂き、また導入のきっかけとなっていただければ幸いです。
【参考文献】
<リンク先最終アクセス:2012.04>
<編集部より>「W3C HTML mircodata」のリンク先を修正しました(2012.05.09)