Scott Guthrie氏自らデモする新しいWindows Azure(米マイクロソフト訪問記その1)
Microsoftのオープンな取り組み
Install ManiaxでWindows Azureにたくさんのオープンソースアプリケーションをインストールしてきた我々にはもっとも関係の深いであろう、Microsoft Open Technologies社のJean Paoli氏、Gianugo Rabellino氏、Spyros Sakellariadis氏の3名から、マイクロソフトのオープンスタンダードやオープンソースへの取り組みについてお聞きしました。
左からJean Paoli氏、Gianugo Rabellino氏、Spyros Sakellariadis氏 |
Jean Paoli氏はXMLを最初に作った人の一人、Gianugo Rabellino氏はApache Software Foundationで従事していた経歴があり、Spyros Sakellariadis氏はCIOやCTOという役割として大規模なシステムを運用してきた経験があるとのことです。
ここでは、彼らから話してもらった内容を中心にお届けします。
Microsoft Open Technologies社は、以前はマイクロソフト社内にあったInteroperabilityチームをベースに2012年4月に設立され、小さいなりに効率よく動けることが意識されました。マイクロソフト全体と連携しながら、オープンスタンダードやオープンソースのために尽力してきたグループです。
マイクロソフトは以前にも増してオープンになっていて、顧客や開発者の意見に耳を傾けるようになりました。米マイクロソフト本社でオープンスタンダードにかかわっている人は1000人以上いて、関与しているオープンスタンダードの団体は150以上になります。
ミーティング中は参加者からの質問が飛び交う |
代表的なのは、w3cのhtml5をとても重要なものとしてとらえていることです。とは言え、Internet Explorer 9ではhtml5のサブセットだけを採用するという意思決定をしました。これは、スタンダードの中にはそれほど成熟していないものがあるのではないか?という理由からでした。マイクロソフトとしても、Internet Explorer 6から教訓を得ていて、同じことを繰り返したくなかったのです。html5ではWebSocketに脆弱性が存在しました。これにより他のブラウザでは対応が必要だったのです。
マイクロソフトは技術をユーザーに押し付けるのではなく、オープンスタンダードと協力してやっていきます。そして、node.js、MongoDB、Apache Solr、CouchDB、Hadoop、PhoneGap、Eclipse、Joomlaなど、いくつものオープンソースのコミュニティとも連携しています。
私たちには、日本からのフィードバックやリクエスト、さらに日本でオープンスタンダードやオープンソースに取り組む方々とマイクロソフトとを結びつける役割を担うことを求められました。
彼らの話を聞きながら、今のマイクロソフトは、マイクロソフト独自の仕組みや製品のみでシステムを構築させようとすることはなく、オープンスタンダードを採用し、オープンソースがWindows上でも最適化された状態で動くことを目指していることを、あらためて強く感じました。
Microsoft Open Technologiesの皆さんと |
<続きは後編をお楽しみに。次ページでは田口さんのシアトル訪問記をお届けします。>
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