[入門編] RHELユーザーが知っておきたい、Ubuntu Serverとのコマンド・サービスの違い
RHELとUbuntu Serverでのハードウェア監視エージェントやドライバーの違いを知る
サーバーの管理には、OS付属のツールを使うことが一般的ですが、障害監視を詳細に行うためには、ベンダー提供の監視エージェントを導入する必要があります。監視エージェントには様々なものが存在しますが、まずは、サーバーのハードウェアコンポーネントに特化した監視エージェントを理解すべきです。また、RHEL/CentOSとUbuntu Severで利用できるベンダー提供のツールや類に違いがありますので注意が必要です。
RHEL/CentOS系の監視エージェントは、HPからService Pack for ProLiant(通称SPP)が提供されています。SPPには、監視エージェント類以外に、各種ドライバーやOSを稼働させたままオンラインでファームウェアのアップグレードを行うキット類などが収録されています。一方、Ubuntu Server向けにはManagement Component Pack(通称MCP)が用意されています。
MCPには、SPPと同様の監視エージェント類(hp-snmp-agentsやhp-health)が用意されていますが、FCストレージ用のドライバーやNICドライバー、オンラインでのファームウェアアップデートを行うツールキットは提供されていません。MCPは、SPPと同様にHPのダウンロードサイトから入手できます。具体的な導入方法や監視の手法については、本連載の実践編でご紹介します。ここでは、Ubuntu Server 12.04.3 LTSに対応したMCPとRHEL6.x用のSPPに含まれるコンポーネントを示しますので、Ubuntu Serverで可能な管理項目を理解してください。
[入門編] Ubuntu Serverとその他のサーバーOSの比較のまとめ
- Ubuntu ServerはインストーラでOS配備用環境(MaaS)を設定可能
- Ubuntu Serverのインストーラはテキストベースであり、日常の操作もCUIで行う
- Ubuntu Serverは、DAS(直接接続ストレージ)で利用するのが無難である
- dpkgコマンドでパッケージを個別にインストールできる
- apt-getコマンドで依存関係を解決しながらパッケージをインストールできる
- Ubuntu Serverに対応したサーバー監視エージェントやツール類をまとめたキット(MCP)を無料で入手できる
- RHEL用のSPPとUbuntu ServerのMCPでは、含まれるツールの数に違いがある
最後に
今回はUbuntu Serverとその他のサーバーOSとの違いについてご紹介しました。次回は、いよいよUbuntu Server実践編です。Ubuntu Serverをスケールアウト型サーバー基盤に導入するノウハウ、構築手順について解説します。
連載バックナンバー
Think ITメルマガ会員登録受付中
全文検索エンジンによるおすすめ記事
- [実践編] Ubuntu Serverの運用・管理、商用製品の利用メリットと今後の展望(後編)
- Ubuntuサーバの管理
- Elasticsearch Logstash Kibanaの環境構築
- スローログの集計に便利な「pt-query-digest」を使ってみよう
- 「Ubuntu」のパッケージ管理を学ぼう
- Dockerの導入前に知っておくべきこと
- SoftLayerでDocker環境を整えるコツ
- Amazon LinuxにPostgreSQL 9.0をインストールする
- Docker向けの軽量Linux OS 主要3種を比較する
- OSSのシステム脆弱性スキャン・検査ツール「OpenVAS」「Vuls」「OpenSCAP」を使ってみよう