10人に1人は、貴社のWebサービスを使えません
十人十色の個性のように
これまでの話をまとめると、視覚のハンディキャップを持った人たちは、合計で1290万人いることになります。これに身体障害と知的障害を持つ人々一部を加えると、1420万人。東京都の1328万人を上回ります。日本の人口が、約1億2732万人なので、割合にして11.2%。すなわち10人に1人が、情報アクセスに困難を抱えているのです。
冒頭にも述べた通り、システムを設計する際、私たちはついつい健常者を念頭においてしまいがちです。私もエンジニアの駆け出しのころはそうでした。その当時は、WEBが世の中に出初めたときで、HTMLの仕様もまだまだひ弱。今のようなデザインの凝った画面は簡単に作れませんでした。そのため、画像を駆使して、これでもか、これでもか、と“かっこいい”画面を作った記憶があります。
しかし、今思えば大切なのは、誰にでもわかるシンプルで、誰にも優しいデザインだったと思っています。WEBシステムなどを通じて、情報にアクセスする際、ハードルを感じる人は意外とたくさんいらっしゃると分かったからです。
そうした情報へのアクセシビリティを考慮する考え方の一つに、“ユニバーサルデザイン”があります。このユニバーサルデザインという考え方に基づいてWEBシステムを構築すれば、誰にでも優しいWEBシステムが実現できます。
今後、高齢化やIT化が益々進む中で、高齢者やハンディキャップを持った人がWEBシステムを活用する機会は確実に増えます。そこで重要になるのが、ユニバーサルデザインの観点でWEBシステムのアクセシビリティ化を推進することです。このコーナーでは、誰でも情報にアクセスできるようにするには何が必要かを、紐解いていきたいと思っています。
本記事はIT Leadersから転載しています。今後の公開分も含めて、全編はhttp://it.impressbm.co.jp/taxonomy/term/3183でご覧いただけます。