COBOLエンジニアが実際のWeb開発業務に携わる際に気をつけるべきこと
2回目のプロジェクトでリーダーに抜てき
そんな前向きさと飲み込みの早さを買われて、M氏は、持ち帰りを前提とした、自治体のWebシステム構築プロジェクトのリーダーとして抜てきされました。
「前職の会社は典型的な年功序列会社だったので、F社でいきなり中途でほとんど未経験の20代の僕が案件切り出しのプロジェクトリーダーにさせてもらえたことに驚きました。でも、頑張ったらこういうチャンスに恵まれるのがこの業界であり、Web業界なんだろうなと感じ、出来るところまで行ってやろうと、腹をくくりました」
そこでもM氏は様々な問題に直面します。仕様書がない、あっても仕様書が間違っている、ちゃんとレビューをしてもらえない、もうテスト工程に入っているのにしょっちゅう仕様変更が入ってくる・・・でも、案件切り出し期限は決まっています。
「この時は自分のスキル不足にもろにぶち当たりました。研修で習ってない実践的なライブラリやパッケージの知識はもちろん、もっと基本的なオブジェクト指向やWeb全般の知識とか。正直、なんで僕をこのプロジェクトのリーダーにしたのかと会社を恨みましたよ。」
ただ、M氏は、それらの課題から逃げませんでした。自分が持っている知識を総動員して現状の問題の把握につとめ、整理して上司に申告しました。
「自分のこういうところが弱いのでお客様に迷惑をかける可能性があるからこういう人を入れてサポートしてくれ、という依頼を出しました。もし事前教育を受けて全体像を把握できなければ、“わからないところがわからない”ままで、きっとそんな依頼もできず、抱え込んでデスマーチまっしぐらだったと思います。」
結果、多少タイムラグはあったものの、会社はM氏が弱い部分のスキルを持った技術者を援軍として派遣。おかげでプロジェクトは軌道にのり、案件の切り出しのスケジュールも決まりました。
「プロジェクト自体は赤字なので社長からはぶつぶつ言われるし、お客様とも見積もりの数字でしょっちゅうやりあうし、やっぱり毎日大変です。そんな中、変な話ですが、COBOL業界の良かったところも再確認できています。もう少し自分が成長したら、COBOL業界で培った知識や経験を、自分の担当するWebプロジェクトに生かしていきたいです。」
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