クラスフルIPv4ネットワークアドレスの分析[クラスフルアドレスの種類と規模]
2015年2月23日(月)
この連載では、Cisco CCENT/CCNAの資格試験対策とするために、Cisco Press公式ガイドブックに掲載されている例題を抜粋し、その例題の解答について解説を行っています。今回は、クラスフルIPv4アドレスについて覚えておくべき内容を説明します。クラスフルIPv4アドレスとは、アドレスがネットワーク部とホスト部の2つに分割されており、その分割の単位が8ビットとなっているアドレスのことです。具体的な分け方として、クラスA~Eの5つがあります。
■クラスフルネットワークの種類
まず、クラスフルネットワークを識別する問題を以下に示します。
※問題1と2は『シスコ技術者認定試験 公式ガイドブック Cisco CCENT/CCNA ICND1 100-101J』 p.332より抜粋。
IPv4アドレスには5つのクラスが定義されています。クラスA、B、Cはホストを識別するユニキャストアドレス、クラスDはマルチキャストアドレス、クラスEは実験用として予約されていますが実際には使われていません。
それぞれのクラスはIPv4アドレスの第1オクテットにより識別できます。第1オクテットの値とクラスの関係は次の表のようになります。
クラス | 第1オクテットの値 |
---|---|
A | 1~126 |
B | 128~191 |
C | 192~223 |
D | 224~239 |
E | 240~255 |
この表から、例題1ではクラスAではないものを選択するので、bとcが正解となります。cの127はRFC5735によりループバックアドレスとして予約されているため、クラスAではありません。同様に、第1オクテットが0のアドレスも予約されています。
例題2ではクラスBではないものを選択するので、正解はeです。bとdは第2オクテットが255となっていますが、クラスBは第2オクテットまでがネットワーク部分を表すので、これらもネットワークID(ネットワークアドレス)となります。
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