NATの概念[グローバルアドレスとローカルアドレスの静的/動的変換]
2015年5月25日(月)
この連載では、Cisco CCENT/CCNAの資格試験対策とするために、Cisco Press公式ガイドブックに掲載されている例題を抜粋し、その例題の解答について解説を行っています。
今回は、「NATの概念」について説明します。プライベートアドレスからグローバルアドレスに変換する技術について解説します。
■NAT(Network Address Translation)の概念
まずは、例題を使用してスタティックNATの仕組みについて説明します。
※上記の問題6は『シスコ技術者認定試験 公式ガイドブック Cisco CCENT/CCNA ICND1 100-101J』 p.660より抜粋。
スタティックNATとは、1つの内部ローカルアドレスと1つの内部グローバルアドレスを対応させてNATの変換を行うことです。スタティックNATの設定は、以下のように行います。
●NAT変換テーブルに登録:対応させる内部ローカルアドレスと内部グローバルアドレスを登録します。登録されたアドレスのみが変換に使用されます。
Router(config)#ip nat inside source static <ローカルIP> <グローバルIP>
●インタフェースの指定:内部ローカル側と内部グローバル側のインタフェースを指定します。
- 内部ローカルネットワーク
Router(config-if)#ip nat inside
- 内部グローバルネットワーク
Router(config-if)#ip nat outside
以上のことから、上記の例題の解答はcになります。NATテーブルエントリはスタティック(手動)で設定されます。aは、ダイナミックNATのケースです。ダイナミックNATでは最初のパケット通過時にNATテーブルエントリが作成されます。
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