Cisco CCENT/CCNA資格取得のための問題・解答・解説 21

IPv4アドレスのスケーラビリティ(規模拡張性)[CIDR/プライベートIPアドレス]

この連載では、Cisco CCENT/CCNAの資格試験対策とするために、Cisco Press公式ガイドブックに掲載されている例題を抜粋し、その例題の解答について解説を行っています。 今回は、「IPv4アドレスのスケーラビリティ」について説明します。ネットワークの規模に柔軟に対応するためのIPv

内山 豊彦

2015年5月18日 16:00

この連載では、Cisco CCENT/CCNAの資格試験対策とするために、Cisco Press公式ガイドブックに掲載されている例題を抜粋し、その例題の解答について解説を行っています。
 
今回は、「IPv4アドレスのスケーラビリティ」について説明します。ネットワークの規模に柔軟に対応するためのIPv4アドレッシング技術について解説します。
 

■CIDR(Classless InterDomain Routing)

まずは、例題を使用してCIDR(Classless InterDomain Routing)の概念について説明します。
 
 

※上記の問題6は『シスコ技術者認定試験 公式ガイドブック Cisco CCENT/CCNA ICND1 100-101J』 p.660より抜粋。

 
CIDRとは、クラスの境界を無視して複数のクラスフルなIPアドレスを1つのアドレスにまとめる技術です。スーパーネットとも呼ばれます。CIDRを使用することで、ルーティングテーブルのサイズやCPUの使用率を軽減することができます。
 
次のようなルーティングプロトコルが、CIDRに対応しています。
 
●EIGRP
●RIPv2
●OSPF
●IS-IS
●BGP
 
ここで、CIDRを利用しないで1000のホストにIPアドレスを割り当てる場合を例にあげてみます。
 
1000のホスト⇒ クラスBを使用
       ⇒ クラスBは最大65534ホストに対してIPアドレスの割り当てが可能
       ⇒ 割り当てるアドレス数は1000でよいので無駄が発生
 
CIDRの考え方は、次のようなものになります(図1)。
 
1000のホスト⇒ クラスC(254ホスト)を4つ使用
       ⇒ クラスCのネットワーク☓4=1016ホスト
       ⇒ 4つのネットワークを1つにまとめる
       ⇒ 1000ホストにほとんど無駄なく割り当て可能
 
図1 CIDRの考え方
 
先の例題はCIDRの名称を問うものであり、解答はfとなります。
 
次もCIDRについての例題です。
 
 

※上記の問題6は『シスコ技術者認定試験 公式ガイドブック Cisco CCENT/CCNA ICND1 100-101J』 p.660より抜粋。

 
これはCIDRの集約についての例題です。集約アドレスとは、複数のネットワークアドレスを1つにまとめたものです。集約アドレスは複数のネットワークの共通部分に該当します。そのため、デフォルトのサブネットマスクと比較することにより、集約したアドレスかどうかを判定することができます。集約されたアドレスの場合、サブネットマスクはデフォルトのサブネットマスクよりプレフィックスの位置が左になります。図1の例を参考にしてもらうとわかりやすいと思います(/24から/21に変わっています)。
 
ここでは、まずデフォルトサブネットマスクを考えてみましょう。
 
◎デフォルトサブネットマスク
 クラスA…255.0.0.0   ⇒ /8
 クラスB…255.255.0.0  ⇒ /16
 クラスC…255.255.255.0 ⇒ /24
 
この例題の選択肢aとbはクラスAのアドレスであり、選択肢cとdはクラスCのアドレスである、ということが第1オクテットから判別できます。そこで、各選択肢のアドレスのサブネットマスクとデフォルトのサブネットマスクを比較してみます。
 
a…255.255.255.0 ⇒ /24 デフォルトは/8なので集約はしていません。
b…255.255.0.0  ⇒ /16 デフォルトは/8なので集約はしていません。
c…255.255.255.0 ⇒ /24 デフォルトは/24なので集約はしていません。
d…255.255.0.0  ⇒ /16 デフォルトは/24なので集約はしています。
 
以上のことから、dが正解になります。
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