既存のサブネットの分析[サブネットID、ブロードキャストアドレス、ホストアドレスを割り出す]
2015年3月9日(月)
この連載では、Cisco CCENT/CCNAの資格試験対策とするために、Cisco Press公式ガイドブックに掲載されている例題を抜粋し、その例題の解答について解説を行っています。
今回は、IPv4アドレスのサブネットの分析に関する問題を解説します。この場合のサブネットの分析では、既知の情報を基にして、サブネットID・サブネットブロードキャストアドレス(ブロードキャストアドレス)・有効なユニキャストホストアドレスを調べます。
■サブネットIDとサブネットブロードキャストアドレス
サブネットの分析を行うには、まずサブネットIDを突き止めます。サブネットIDは、サブネットアドレス・ネットワークアドレスとも呼ばれます。これに関する例題を2問、以下に示します。
※問題4と5は『シスコ技術者認定試験 公式ガイドブック Cisco CCENT/CCNA ICND1 100-101J』 p.368より抜粋。
●サブネットIDはサブネットの先頭
サブネットIDはそのサブネットの先頭のアドレス、つまり一番小さいアドレスです。具体的には、2進数表記におけるホストビット部をすべて0にすればよいことになります。
例えば、192.168.10.80/24 の場合はネットワークビットが24ビット、ホストビットが8ビットですから、192.168.10.0となります(下記の表を参照)。
また、192.168.10.80/27の場合はネットワークビットが27ビット、ホストビットが5ビットなので、192.168.10.64です(下記の表を参照)。
●サブネットブロードキャストアドレスはサブネットの最後尾
サブネットIDが判明したら、次はサブネットブロードキャストアドレス(ブロードキャストアドレス)を割り出します。これはそのサブネットの最後のアドレスになるので、2進数表記におけるホストビット部をすべて1にします。
先ほどと同じアドレス192.168.10.80/24と192.168.10.80/27を例として考えると、それぞれ下記の表を参考にして192.168.10.255、192.168.10.95になります。
サブネットマスクが255.255.255.0や255.255.255.224のように、ドットつき10進表記で与えられた場合でも、2進数に変換して同様に考えます。
これらの計算をする際にはアドレスをすべて2進数で考える必要はありません。サブネットマスクのドットつき10進数が255や0ではないオクテットのみに注目すると早く計算できます。
例えばこの2つの例の場合は第1~第3オクテットは気にせずに、第4オクテットのみに着目して計算します。なぜなら第1~第3オクテットは192.168.10のままで変化しないからです。
●例題
例題4はサブネットIDを割り出す問題です。
192.168.44.97/30 のサブネットIDを割り出します。/30は、ドットつき10進数表記では255.255.255.252です。よって、第4オクテットのみ注目して計算します。97を2進数に変換すると、01100001となります。ホストビットは32-30=2ビットなので、末尾2ビットを0にすると01100000、つまり96です。よって、サブネットIDは192.168.44.96、つまりcが正解です。
例題5はサブネットブロードキャストアドレスを割り出す問題です。
対象となるアドレスは、172.31.77.201/27です。/27なので、第4オクテットに注目して考えます。201を2進数に変換して11001001となり、ホストビットは32-27=5ビットなので、後ろ5ビットを1にして11011111、つまり223となります。よってサブネットブロードキャストアドレスは、172.131.77.223のcが正解です。
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