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IoTが病院とヘルスケア産業にもたらす6つの利点

2016年8月4日(木)
ReadWrite Japan

ヘルスケアソリューションを提供する上で、IoTがアプリやデバイスと人との互いの関わり合いを再定義することがヘルスケア産業を変革していることは疑いようがない。IoTは患者によりよい治療を受けさせ、健康管理のコストを大幅に下げ、治療の結果を向上させるための新しいツールをコンスタントに提供し続けている。

これは健康関連のプロモータと病院がワークフローの自動化とプロセスの向上を同時に行えるさまざまな機会を提供することになる。たとえば、多くの病院はIoTを資産管理や手術室の空調などに利用している。

医療機関がIoTを導入する大きな6つの利点は、以下のとおりだ。

1. コスト削減
ヘルスケア業者がコネクティビティの利点を取り入れることで、患者のモニタリングはリアルタイムに行うことが可能になり医者の無駄な往診のコストが減る。特に高等なホームケア施設については、病院での滞在や患者の再訪が減るため、確実にコストが削減できると言える。

2. よりよい治療効果
クラウドコンピューティングやその他のバーチャルインフラを通じたコネクティビティを使ったヘルスケアソリューションは、治療を施す側に判断するための情報をリアルタイムで届けるだけでなく、より細かなデータに基づいた治療を施すことを可能にする。このことにより対策も時機を得たものとなり、結果、治療効果も上がることだろう。

3. よりよい疾病管理
患者が継続的に監視され、治療を施す側がリアルタイムにデータを入手できることで、手の施しようがなくなる前に疾病の治療ができるようになる。
 
4. 医療ミスの低減
正確なデータの収集、ワークフローの自動化、データに基づいた判断が組み合わさることにより、余分な浪費やコスト、そして何より医療ミスを低減することができる。

5. 患者エクスペリエンスの向上
IoTを使った患者のニーズに着目したヘルスケアシステムの実現だ。治療の先回り、診断の正確性の向上、医師の介入のタイミング、治療効果の向上は、患者自身がそれを受け入れるにあたり納得がいく結果を上げることだろう。

6. 薬剤管理の向上
ヘルスケア業界において薬剤は、その製造だけでなく管理にもかなりのコストを掛けている。だが、IoTによりこれらのコスト管理もしやすくなるだろう。

IoTのヘルスケアにおけるリスクとは

IoTは医療分野を一変させようとしているものの、同時に、健康上のデータの扱いが難しいことから数々の課題も上がっている。適切でないデータの扱いは名声を地に落とすことになる。さらにいうと、これらヘルスデータの合理化、デジタル化やそれらの別の用途への拡張はデータセンターに負担をかけることにもなるだろう。

患者の監視が家庭で身につけるウェアラブルにまで及び、医療関係者は時間毎に変わる状況のモニタリングやそのデータからの予測も行うことになるため、データセンターおよび設備インフラへの需要も増えることになる。

プロプライエタリな医療サービス間でデータのシェアを行うための標準となる規格も必要だ。データの共有が進むにつれ、データのセキュリティももちろん大きなリスクになる。情報をサイバー攻撃から保護する必要があるため、データ量はすさまじく伸びると考えられる。

IoTの構造は解析エンジンとして強力なものだが、ハイブリッドクラウドやハイパーバイザー(仮想インフラ)を必要とする。これらのツールはネットワークコンプライアンスの監視や、ユーザのアクセス、ネットワークのトラフィック、システムエラーなどを含む異常があった時、リアルタイムでアラートを上げるために重要なものである。

効率性を高めるために技術を活用したい、というヘルスケア業界の需要は必ず大きくなるだろう。IoTの認知度は今後さらに高まると考えられる。

また、IoTヘルスケア分野の伸長は「接続性」にかかっており、得た情報から実際のアクションを導き出せることを保証しなければならない。しかし、そこさえ押さえてしまえば、病院においてIoTは不動の地位を築くことができるだろう。

ReadWrite[日本版] 編集部
[原文]

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