Uberが自動運転トラックのスタートアップOttoを6億8000万ドルで買収、その狙いとは
ライドシェアリングの大手 Uberが、元Google技術者が起こしたスタートアップ Ottoを約6億8000万ドルで買収したと18日木曜に発表した。
Googleの自動運転車プロジェクトの元リーダーであるアンソニー・レヴァンドフスキ氏を含め、Ottoのチーム全員はUberに移籍する。彼らはUberの自動運転プロジェクトに参画し、報告はCEOであるトラヴィス・カラニック氏に直接おこなう。
パロアルトとサンフランシスコにあるOttoの研究施設は、今後も稼働しつづけ、Uberがピッツバーグに構える研究センターとデータを共有するようだ。
この記事を執筆している段階で、買収価格は6億8000万ドルにのぼると Bloomberg は言っている。つまり、Ottoに投資した人たちが受け取る金額は、Uberの株式資本の1%より若干少ない数字になる。また、Uberは将来のトラックビジネスで得られた収益の20%を還元するとも言っており、投資家たちにとって長期的な恩恵が提供されることになる。
Ottoは、自社でトラックを作るのではなく、既存のトラックに自動運転システムを搭載する方法をとっている。彼らは、LiDARを含むセンサーを自社で制作しており、これは起動時に自動運転システムにとって有用なレーダーとして機能する。
「Uberと一緒になって、将来の商用交通を作りあげる。まず、ドライバーにこれまでにないレベルの安全を提供する自動運転トラックを、次に、最適なドライバーのマッチングをおこなうためのプラットフォームを作る予定だ」と、Ottoのブログの投稿に書かれている。
Uberの狙いは交通業界すべてを掌握すること
Uberは昨年、食品輸送や配送業を含んだ新たな交通分野に対して重点的に投資をおこなった。長距離トラック業は、民間企業にとって600億ドル以上の評価額を得ていることが大きなステップであるようにみえる。しかし、これもUberがあらゆる交通手段のデファクトブランドとなるための動きの1つなのかもしれない。
この買収について発表がなされたのは、UberとVolvoが自動運転に3億ドルを投資するという発表があってから、ほんの数時間後のことであった。Volvoは、今月末までに、道路上にピッツバーグの研究センターに100台のSUVを提供する予定であるという。
ReadWrite[日本版] 編集部
[原文4]
連載バックナンバー
Think ITメルマガ会員登録受付中
全文検索エンジンによるおすすめ記事
- Googleの止まらない人材流出が示すその「弱み」と「暗い展望」
- Uberと台湾政府のいびつな関係、チーフアドバイザーの力で修復なるか?
- 自動運転市場で買収ラッシュ、乱立するスタートアップ企業の「売り込み」を考える
- ゴミ回収の自動化を目指すVolvo
- 普及まであと数年、知っておかないとマズイ「車の自動化レベル」とは?
- 自律運転車で7兆ドル規模の経済効果を見込むIntel
- GoogleとUberのトップが旅客輸送の将来について語り合う
- 自動運転車に関わる規制の未来は?
- スウェーデンと中国で自動運転車のテストを行うVolvo
- スピードよりも“質”重視のトヨタ、2020年までの完全自動化狙わないと発表