自律運転車で7兆ドル規模の経済効果を見込むIntel
IntelとStrategy Analyticsが発表したレポートによると、自律運転車業界は2050年までに7兆円もの経済規模に発展するという。
レポートでは、この見積りは主に3つの収入源から成り立つものだとしている。
―「消費者向けサービス(consumer mobility-as-a-service)」で3.7兆ドル
―「ビジネス向けサービス(business mobility-as-a-service)」で3兆ドル
― 車内向けアプリやサービスで2000億ドル
車は所有するものからシェアするものへと次第に移り変わっていくとIntelは考えている。これらサービスによってドライバーがいなくなるたえm、タクシー料金は今よりずっと安くなる。
自律運転車市場のプレイヤーたちのほとんどがタクシーサービスを展開しているのはご存知のことだろう。自動車メーカーは明言してないが、彼らもやがて自社のタクシーサービスを持つことになり、GoogleやUberは提携関係を模索するか、自分たちで車を作り上げることを迫られるだろう。
「自律運転車についての戦略を企業は考え始めるべき時です。今から10年前は、誰もそれが形になろうとしていることを知らなかったため、まもなく現れるアプリケーションやシェアリングエコノミーについて語る人はいませんでした」と、IntelのCEO Brian Krzanichは語る。
「ビジネス向けサービス」とは、いわばトラック、特に輸送に用いられる長距離トラックについてのことだ。この業界は米国でもトップクラスの死亡率を誇っており、去年だけでも路上で745人が亡くなっている。これの自動化が実現されれば、ソフトウェアは休息を取る必要がないことから輸送が高速化され、死亡例も激減することだろう。
路上の多くの人が救われる
調査によると、自律運転車は人の運転と比べてはるかに注意深いことから、公共安全に使われてきた2340億ドルが節約されるとのことだ。インフラが整ってしまえば車同士が互いにやりとりするため、自律運転車同士の衝突はほぼ起こりえない。
自律運転車の増加が始まるのは2035年とIntelは予測している。その頃には業界の規模は8000億ドルに達していると考えられており、年間で2億5000万時間にもなる通勤時間が解放される。
この解放された通勤時間こそが、3つの収入源のうちのひとつ、2000億ドルの出所だ。乗客は路上に視線を配る代わりにネットにアクセスするかもしれないし、Spotifyのストリーミング見放題やNetflixのHD版などのサービスにお金を出すようになるだろう。
そうなる基盤は既にある。しかし業界は未だ法律規制についての緻密な調査や、自動運転そのものを怖がる人々、コンピュータが人に取って代わることを疎ましく思う企業など、さまざまなハードルに行き当たっているところである。
DAVID CURRY
[原文4]
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