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IoTが汚染からインド市民を救う? 政府が掲げる「Made in India」構想へ募る危機感

2016年9月22日(木)
ReadWrite Japan

発展途上国として、来たる経済を牽引する国として、インドは数多くの重工業を抱えている。彼らはより大きな経済成長のためにも、そのような産業の拡大にますます依存している。

向こう数十年を考えた政府が掲げる「Made in India」構想は勢いを増しており、それは工業発展が生み出す数多くの雇用を生み出す。地方で雇用される国民は「Made in India」の原動力になると目されている。

現在農業などの地方産業に従事する労働者たちは、スキルを持つ労働者として、あるいはスキルはなくとも近代的な産業に従事することでその生活レベルを上げることができるようになるだろう。

また、この国のエネルギー需要は15年のうちに倍になると予想されている。インドで使える化石燃料は限られており、より効率的な産業がエネルギー確保と協調的な経済成長に求められている。また、こういった産業は排気ガスの排出量を減らすものでもある。

多数の工場が与える影響

経済成長を多くの近代的な工場に依存する国々に対する警告として、これらの工場は汚染物質を放出するものでもあるということが挙げられる。この問題は多くの中規模な工場を抱える国でさえ起こることであり、汚染は遠方の国々にも影響を与えうるものだ。

先進国の工場は中国などの貧しい国に拠点を移した。その理由は賃金の安さと環境に対する規制の甘さだった。中国の規制の甘さにより、先進国は地元の規制で不利な状況になるのを免れることができる。結果、多くの工場が中国に雪崩れ込むことにより、都市部や地方を問わず、中国のさまざまな場所が重度の汚染に見舞われた。

工業発展によるこのような大規模な環境問題をインドでも起こさないために、工業の成長が求められている。より効率的な工場はCO2の排出量も少ない。また、国民の生活を向上しつつ環境汚染も抑制するためには、資源利用の最適化が必要だ。

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工業が資源を有効活用するようになれば、汚染物質の放出量も減るだろう。再生可能なエネルギーの利用も環境および経済成長において重要なことだ。

工業がもたらす汚染とどう戦うか

工業IoT(IIoT)は国中の生産工場の効率向上を謳っている。だが、生産データの管理・収集やその分析についてはまだ始まったばかりだ。

風力発電には大きな期待が寄せられている。インドにとって、ロケーション的にこれは有効な選択肢だろう。「シャクティ再生エネルギー基金」は、再生エネルギー利用についての政策プロモーションのリーダー的存在である。「Made in India」を成功させるため、国の指導者たちはこの国の空気や水の汚染をともなう落とし穴に陥ることがあってはならない。

現在中国に住む人々は、国内の汚染という大きな代賞を払っている。米国ですらその代賞を払っている。というのも、中国に工場を移し生産活動をおこなった結果、汚染物質がジェット気流に乗って流れ着いているためだ。

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世界規模で経済活動による環境劣化が広まるなか、再生可能エネルギーの利用がインド国民の高い生活レベルの実現のためにも、これまでになく必要とされている。太陽や風力といったこれらのエネルギーはますます重要となり、環境を未来の世代に繋ぐために追い求められていくだろう。

ReadWrite[日本版] 編集部
[原文4]

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