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OpenStack特化のバックアップソリューションを手がけるTrilio Data

2017年6月14日(水)
松下 康之
マーケットプレイスで見つけたOpenStack特化のバックアップソリューションを手がけるTrilio Data

大小の企業が軒を連ねるマーケットプレイス

ボストンで開催されたOpenStack Summitには、セッションとは別に「マーケットプレイス」と呼ばれる展示会場が併設されている。ここにはIntel、Red Hat、Mirantisなどのイベントスポンサーが自社のソリューションなどを展示しているわけだが、このような大手だけではなく、この機会を使って新たな見込み顧客や人材を見つけるため、スタートアップ企業も小さいながらもブースを出して、自社の特徴をアピールしている。

今回はマーケットプレイスの紹介と、その中からTrilio Dataという企業を紹介しよう。同社は、OpenStackに特化したバックアップ&リカバリーのソリューションを展開していた。

会場のエントランスには大きなバナーが

会場のエントランスには大きなバナーが

マーケットプレイスの入口横にはスポンサーのロゴを列挙した巨大なボードがあり、拠出している金額の多寡によってサイズが変わるのがよく分かる

スポンサーを一覧できる入口横のボード

スポンサーを一覧できる入口横のボード

プラチナムスポンサーはドイツテレコム、Intel、Mirantis、Red Hatの4社、つまりキーノートセッションにおいて単独でプレゼンテーションを行う枠を使える企業ということだ。

ブースの作りは至ってシンプル。日本の展示会のように、自社ブースに大きなスクリーンと椅子を出してミニプレゼンテーションを行うところは少ない。それよりも、対話することで理解を深めようと言うのが基本のようだ。

ブースの作りは意外と簡素

ブースの作りは意外と簡素

Mirantisは毎回凝ったブースを作り込むのだが、今回はアメコミ風のイラストを中心にシンプルな作りだった。キーノートでも訴求された「マネージドオープンクラウド」と言うコンセプトを売り込むためのものだが、ここで悪役となっているのは誰だろう?

Mirantisのアメコミ風イラストは目立っていた

Mirantisのアメコミ風イラストは目立っていた

会場の中にはミニステージも設置されており、個別のセッションを取れなかったベンダーは、ここで自社の宣伝をすることになる。

マーケットプレイス内のミニステージ

マーケットプレイス内のミニステージ

日本のNTTコミュニケーションズのブースは、スタッフユニフォームを青の法被で統一していた。オースチンで開催されたサミットでスーパーユーザーを取ったNTTグループは、スタッフが青いフーディーを着用していることで会場では目立っていたが、ここでも青は健在だ。

NTTコミュニケーションズのブース

NTTコミュニケーションズのブース

Trilio Data

今回はそんなマーケットプレイスの中から、一番小さいブースを使って展示を行っていたTrilio Dataを紹介したい。この企業は元EMCでOpenStackのプロジェクトを指揮していたMurali Balcha氏が4年前に起こした企業で、OpenStackのバックアップとリカバリーを行うソリューションをメインに展開している。

Trilio Dataのスタッフ。緑色のポロシャツの人物がCTO、その左がCEO

Trilio Dataのスタッフ。緑色のポロシャツの人物がCTO、その左がCEO

創設者兼CTOであるBalcha氏からデモと説明を聞いたが、Trilioが解決している問題とは、OpenStackの構成情報などのメタデータのバックアップも可能という部分だ。OpenStackは多くのモジュールで構成されているが、基本は仮想マシンとストレージで、その上にアプリケーションが稼働するという形だ。アプリケーションが利用するデータベースなどは、重要なデータとしてデータベース側でしっかり管理するのが当たり前だとして、そのアプリケーションが利用する仮想マシンの中のコンピュートノード、ストレージ、そしてセキュリティの設定など細かな設定情報は多く、これらを個別に管理することは規模が大きなプライベートクラウドを運用する際の問題点となっていたという。これをOpenStackが管理する単位でバックアップ、リストアを可能にしたのが、同社のTrilioVaultというソリューションだ。ダッシュボードであるHorizonとも連携し、GUIから簡単にバックアップやスナップショットが取れる。さらにその中から、選択的に一部のファイルだけを戻すというようなことも専用のGUIで可能になっている。

バックアップから一部のファイルだけを戻すことも可能

バックアップから一部のファイルだけを戻すことも可能

アーキテクチャー的には、KVMの上で稼働しバックアップとリストアをオーケストレーションするTrilioVault Virtual Applianceがコントローラーとなって、OpenStackのコンピュートノードであるNovaにインストールされるPythonベースの軽量なTrilio Data Moverがデータのバックアップ、リストアを行うというシンプルな構成だ。複数のTrilioVault Virtual Applianceを稼働させることも可能であるため、Novaが増加したとしてもリニアに性能を上げられるという。その意味では、クラウドの自由に拡張できる性質には適合していると思われる。その場合、ボトルネックになるのは、バックアップを格納するNFSもしくはSwiftの性能ということになるかもしれない。また将来の計画として、AWS S3への保存も予定しているという。

Trilioのブースで説明を聞く参加者。人気は上々

Trilioのブースで説明を聞く参加者。人気は上々

すでに日本国内のシステムインテグレーターでも評価が進んでいるというTrilio Dataのバックアップソリューションは、今のところOpenStackのエコシステムでは他に比べるものがないと言う。ちなみにTrilioの本社は、EMCの本社もあるマサチューセッツ州のホプキントン、あの穏やかな丘陵地域にこういうベンチャーがあることは、シリコンバレーではなくてもイノベーションは可能であるという一つの証拠かもしれない。OpenStackのバックアップソリューションに悩んでいるインフラストラクチャー管理者は、一考の価値があるだろう。

参考:Trilio Data

フリーランスライター&マーケティングスペシャリスト。DEC、マイクロソフト、アドビ、レノボなどでのマーケティング、ビジネス誌の編集委員などを経てICT関連のトピックを追うライターに。オープンソースとセキュリティが最近の興味の中心。

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