ESXiの使いどころ!
ESXi無料版からのアップグレード
本連載では、無償化されたESXi Installable Editionについての解説から始まり、将来的な可能性まで言及してきました。最後に、本格的に本番環境で利用する場合や、仮想環境を大規模に構成して、社内に乱立したサーバーを統合する場合などについて触れます。
今回無償公開されたESXiは、単体サーバー上での仮想マシン制御を主眼においたものであり、本格的に利用していくには、どうしても有償で利用できる機能が必要になります。
例えば、複数台の仮想サーバー群を統合管理する機能、障害が発生した物理サーバー上で稼働していた仮想マシンを別の物理サーバー上で自動再起動する機能、仮想マシン上のOSを稼働させたまま別の物理サーバーへ移動する機能、その移動を各物理サーバーの稼働状況を監視しながら自動的に行い負荷分散する機能などがこれに該当します。
VMware社では、これらの機能を含めVMware Infrastructure 3というソフトウエアスイートとして、いくつかのライセンス単位で提供しています。
無償版のESXiからのアップグレードは非常に簡単です。「第3回 仮想マシンの作成!」でも触れていますが、ライセンスを無料のものから、購入したライセンスに変更するだけで完了します。
あとは、管理用のサーバーとしてVMware Virtual Centerを用意してESXiのサーバーを登録する必要があります。これは、別途Windowsサーバーを用意して、そちらにインストールすることをお勧めしますが、いくつかの制限を許容できれば仮想マシン上で動作させることもできます。
まずは楽しむことから
4回にわたり、ESXiを解説してきた本連載はいかがでしたでしょうか?
最近、コスト削減や電力不足解消のためにサーバー数を減らしたいという要望をよく聞きます。そんな要望への1つの解がサーバーの仮想化技術です。
とはいっても実際に導入するのは初めての方は不安もあるでよう。この不安を取り除くために、一番早いのはとにかく触れていただくことにあると思います。
ESXiは、非常に手軽にサーバー仮想化をスタートすることができ、しかも本格利用する場合には、その環境を無駄にすることなくシームレスにアップグレードが可能です。
まずは楽しむことからスタートできるのが、無償公開されたESXiの最大の特徴です。本連載を機会として、ESXiを楽しんでいただければ幸いです。