3大仮想化ソフトウエアを比較!

2008年9月11日(木)
masuidrive

仮想マシンの比較

 今回は、Macのネーティブ仮想化アプリケーション3種「Parallels Desktop for Mac(以下、Parallels)」「VMware Fusion(以下、VMWare)」「VirtualBox」の比較を行いましょう。

 具体的には各アプリケーションの提供する、仮想マシンのスペックを比較してみます。性能は、稼働させるOSやドライバによって大きく異なるため、次回以降OS別に検証したいと思います。

 図1は、各仮想化アプリケーションが提供する仮想マシンのスペックを比較した結果です。この比較表を元に考察していきましょう。

 まずは、これらのアプリケーションを稼働させるホストOSのスペック制約です。この3種のアプリケーションは、すべてIntel Mac専用です。PowerPC Macで仮想マシンを使う場合は、マイクロソフト社のVirtual PCが有名ですが、これは反対にIntel Macでは使うことができません。

 すべてのアプリケーションで、32ビット、64ビットのIntel CPUに対応しているので、現在発売されているすべてのIntel Macで稼働させることができます。

 スペック上、ホストOSのメモリは512MB以上になっていますが、2G以上の実メモリを搭載していないと、実際の利用には難しいでしょう。次回以降の検証でも詳しく書きますが、仮想マシンはおおむねゲストOSの2倍のメモリを消費します。例えば、ゲストOSで512MBのメモリを割り当てた場合、仮想マシンは1Gのメモリを消費します。

 さて、続いて各アプリケーションが作り出す仮想マシンのスペックを比較してみましょう。基本的に、各アプリケーションの仮想マシンのスペックは、一般的なWindows PC向けのハードウエアを想定しています。そのため、どの環境でもWindowsやそのほかOSをインストールすることが可能です。

 しかし、よく調べてみると、少しずつ違いがあります。具体的には、サポートしているデバイスや、その数が違います。普通のPCでもWindowsが動くという点ではどの機種でも同じですが、選択するにあたっては3Dに強いビデオカードが搭載されているのか、何個USBポートがあるのか、HDDが何台搭載できるかなどの違いが大きく影響します。仮想マシンの世界でも同様です。

CPU

 コンピュータの性能を大きく左右するのはCPUですが、仮想マシンで利用できるCPUも、アプリケーションによって異なります。

 ParallelsとVirtualBoxが32ビットCPUのシングルコアCPUのみに対応しているのに対して、VMWareは64ビットCPUやデュアルコアCPUに対応しています。

 そのため、64ビットOSをインストールする場合や、仮想マシン側でデュアルコア環境を使いたい場合は必然的にVMWareを使うことになります。

 なお、仮想マシンでデュアルコアを使うには、ホストOS側もデュアルコアを搭載している必要がありますし、64ビットOSを動かすには、ホストOS側も64ビットCPUである必要があります。

 特にデュアルコア対応は、仮想マシンで重いアプリケーションを動かしたい場合には、非常に有効です。対応していないParallels、Virtual Boxでは、CPUがデュアルコアでも、シングルコア分の性能しか発揮できません。

 しかし、ホストOS側でアプリケーションを動かしながら、仮想マシンでアプリケーションを使うのであれば、それぞれのコアが使われるので、デュアルコアの恩恵はそこまで顕著にならないと言えます。

 VMWare FusionはVMware社としては、初のデスクトップ向けの仮想マシン環境ですが、高性能CPUへの対応は、長らくサーバーなども手がけている同社だからこそと言えるでしょう。

 続いて、メモリ、ハードディスクについて見てみましょう。

PukiWikiなどのオープンソース活動を経て、2005年からRuby on Railsに的を絞り、WEB2.0社 PingKingやニフティ アバウトミーの開発に関わる。これまでのフリー活動から転身し、2007年は1年だけ会社員として働いた後、起業のため渡米。2008年4月にBig Canvas Inc.設立。現在、米ベルビュー在住。http://bigcanvasinc.com/http://blog.masuidrive.jp/

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