Red5とその他のオープンソースFlash技術
オープンソースが開くFlashの世界
本連載では、これまでにオープンソースのFMS(Flash Media Server)互換のサーバーソフトウエアであるRed5を中心にサーバーサイドと連携したFlashの世界について紹介してきました。今回はまとめとして、Red5の今後と、それ以外のFLash関連のオープンソースプロジェクトについて紹介し、今後のFlash開発の姿を占っていきます。
まず、背景としてFlashの世界は長らくMacromedia社/Adobe社の製品に依存してきました。現在でも最も重要な要素であるFlash PlayerはAdobe社によって精力的に開発が続けられています。そのFlash Playerの普及度は99%にせまっており、Flashをプラットフォームとしたアプリケーションやサービスの可能性は今後も高まるばかりです。
長らくクローズドな方針をとってきたAdobe社自身も、最近ではFlex SDKやBlaze DSに代表されるようなオープンソース戦略を積極的にとることが増えてきています。現行のFlash CS3などFlash IDE製品がまるごとオープンソース化されるようなことは考えにくいですが、いくつかの技術はオープンソースで代替が効いたり、またコミュニティーによって新しいアイデアが注入されたりすると、より活性化されたFlashの世界が開けていくのではないかと期待しています。
Red5の今後
Red5の現在の正式版は0.7、最新版は0.8RC(リリース候補版)となっています。Red5のオフィシャルサイトにはロードマップ(http://jira.red5.org/confluence/display/docs/Red5+Roadmap)が提示されていて、今後の計画が明記されています。
0.8はパブリック・ベータという位置づけで、いよいよ正式版が近づいてきた感があります。長年の懸念であったスケーラビリティ対策も1つのオリジンサーバーとクライアントからの接続先となる複数台のエッジを配置する形でのクラスタリング手法が0.7から盛り込まれてきました。
今後はホットデプロイやサーバーサイドActionScriptのサポート、映像のH.264エンコード対応などがロードマップ上に記載されています。
また、Red5はJavaをベースとしたテクノロジーであるため、JavaVM上で動くRubyであるJRubyや、同じくPythonであるJythonなどでサーバーサイドを記述することも将来的には可能になってくるかもしれません。そうなってくるとより多くの開発者にとってより取り組みやすい環境になってくるでしょう。
次は、Red5と同じようにRTMPを扱うサーバーソフトウエアをいくつか紹介します。