元データ不在の危機を回避!
元データ不在のWeb更新作業
Web制作の現場では、過去に制作したコンテンツを修正して再アップするケースがあります。このような時によく聞く話ですが、制作した時の元データが残っていないことや、もしくは作った担当者が辞めてしまって、データが見つからないといったことがあるようです。
また、似たようなケースとして、自社のWebサイト制作を外注した場合に、更新のみは社内のWebマスターが行うことがあります。画像差し替えなどの直接元データを必要とする場合で、納品データに元データが含まれていないために困ることもあるでしょう。
基本的にHTMLやCSS、JavaScriptやPHPなどのプログラミングは、Webサイト上で公開されているコンテンツであればソースが表示できるので、例えば他人が作ったソースを読み解析することは可能です。
Flashに必要なFLAファイルとSWFファイル
Flashコンテンツについては、通常、納品データや公開データを流用して再編集することができません。FlashコンテンツをWebブラウザで閲覧するには、SWF形式のファイルに書き出します。このSWFは、元の編集データにあたるFLAファイルから書き出す際に、パブリッシュという設定で再編集をプロテクトできるからです。そして通常の商用サイトであれば必ずプロテクトをかけています。
Flashの編集作業ファイルにあたるFLAファイルには、すべての作業情報が含まれています。この中にはレイヤー名、シンボル名といったSWFの表示には書き出されない情報もコンパイルされています。もう一方のSWFファイルはFlashコンテンツをWebブラウザで表示するための基本情報しか含まれていません。インスタンス名、フォントのアウトラインデータ、ActionScriptなどがそれあたります。
HTMLやプログラミング言語であれば、元のデータがなくても、納品データや公開データをなんとか流用して再現や更新を行うことができるのですが、Flashの場合は、簡単なテキストの差し替えだけであっても、プロテクトされたSWFではどうすることもできません。
仮に制作会社がFLAデータを無くしてしまったのであれば、はじめから作り直す必要があるでしょうし、Flashコンテンツを外注したケースならば、制作した会社に変更依頼を外注しなくてはならないでしょう。こういった場合は、簡単な差し替え程度であってもコストをかけなければできない作業でした。