言語+フレームワークで選ぶ
Rubyの選択理由
Ruby自身が「ストレスなくプログラミングを楽しむこと」が設計思想であることに加え、他言語のフレームワークにまで影響を与えたRailsの存在により、高い生産性を実現できることに注目しました。
「アジャイル開発との相性はあるのか?」ということでは、「Convention over Configuration(CoC)」の思想があり、規約にのっとることでさまざまな省力化が可能なだけではなく、それがプログラムソースレベルのコミュニケーションを取りやすくしてます。
「Don't Repeat Yourself」という言葉もRailsは有名です。同じデータやロジックを重複させないことで、継続的な開発に必要な、プログラムソースコードの耐久度を保つことに寄与してます。各工程に最適な特性を持つ、開発、テスト、本番の3環境が準備されており、テストを容易にするためのテストフレームワークも充実してます。Ajaxライブラリの標準装備により動的なインターフェースも簡潔に表現できます。
以上の機能はフルスタックで組み込まれているため導入も楽に行え、さまざまなオープンソースソフトウエアから構成されている場合と比べ、相性問題の検証などの工数がかかりません。RailsのインストールはRubyのパッケージマネジメントであるgemコマンドなどにより、インストールも容易です。
また、Rubyで作成されたCapistranoというRuby on Railsとも相性のよい配備ツールがあります。これを利用することで配布・再起動などが簡単にでき、頻繁なリリースを行え、顧客のフィードバックを得やすい環境作りが可能です。これもgemコマンドで簡単にインストールできます。
Rubyは、短時間で行える豊富なチュートリアルや書籍も充実しているので、技術習得は短期間です。
最近のほかのLightweight言語についても、それぞれに差異はあっても上記のような特徴が見受けられますが、言語自身に可読性を重視するなどの設計思想がある部分が長期においてプログラマの負担を和らげるだろうとの考えに基づきRubyを選びました。
最終的には、社内で教育サービスを展開していて、技術員の確保についても期待が持てることや、性能試験、機能試験といったインフラ面や技術支援の面で、社内のRubyサポート部署の存在も大きい選択理由となりました。
新しい言語にもチャレンジしよう
導入しやすさや言語経験の有無、技術習得は容易か、などさまざまな要因が言語選択に影響を与えると思いますが、今回候補とした各Lightweight言語に関して言えば、大きな差は感じませんでした。プロジェクトの規模や位置する周辺環境、バックグラウンドにより選択の理由も変わることでしょう。
結果的には、プロジェクト内で使用経験のないRubyを選択するに至りましたが、それが大きな障害となることはなく、求めていた環境を手に入れることができました。
新たなプロジェクトを始めるために、使用経験のある言語のみにこだわる必要はなく、プロジェクトの手法や目標にマッチしているのであれば、新たな言語を手にしてみることでプロジェクトが幸せな方向へ進むこともあるかも知れません。