【加速する進化】「生成AI」の今と未来-「Nolang」で体験する次世代テクノロジー
はじめに
本連載は、生成AIコミュニティ「IKIGAI lab.」で活動している6名で運営しています。注目されている生成AIに関するニュースを収集し、個性豊かなメンバーによる記事の深堀りから、半歩先の未来の想像を共有していきます。この記事を通して、ぜひ皆さまも各々の半歩先の未来を想像しながら、色々な価値観を楽しんでいただけると嬉しいです。
さて、Open AI大規模言語モデル「GPT-4」が公開されてから1年が経過しましたが(2023年3月14日)、皆さんはどれほど活用されているでしょうか。
すでにChatGPTを使いこなしている人も、これから使おうと考えている人も大丈夫です。生成AIの最前線で「どのようなトピックスが注目されているのか」を、どこよりも分かりやすく記事にしました。今回も、皆さんを半歩先の未来へご案内します!
経営幹部と従業員の間で、生成AIに対する認識の違いが明らかに
●2024年3月19日 アクセンチュア(ACNニュースリリース)
アクセンチュア最新調査――経営幹部と従業員の間で、生成AIに対する認識の違いが明らかに
ACNによると、企業経営幹部の認識は以下のように報告されています。
- 生成AIは企業の業務や役割に大きな影響を与える可能性を思料
- 企業全体で業務プロセスの再設計や従業員体験の向上に向けた生成AIの活用拡大が急務
- 経営幹部の3分の2は、生成AIを活用した全社改革を主導するために必要なテクノロジーに関する知識や変革リーダーシップを有していない
一方、従業員の認識は以下のように捉えています。
- 生成AIの活用に価値を見出している
- 同時に約60%が失業への不安やストレス、疲弊を感じている
- 従業員の約60%がAIによって仕事が奪われることを心配している
生成AIという破壊的イノベーションの誕生により、わたしたちの日常や働き方は少しずつ変化しています。そして、従来の「当たり前」と認識されてきた価値観に対しても、行動変容が求められています。
それでは、具体的に「生成AIの最前線でどのようなことが起きているのか」、その動きをもう少しクローズアップしていきます。
【AWS関連】内製化支援推進AWSパートナー新規参加の紹介
●2024年3月15日 AWS JAPAN APN ブログ (aws.amazon.com)
内製化支援推進 AWS パートナー新規参加、事例、2024 年の活動予定のご紹介
- AWS(Amazon Web Services)では様々なAWSパートナープログラムを通じ、AWSパートナーとともにお客様のデジタルトランスフォーメーションの支援を実施
- AWSに対する深い知見と多くの経験を持ち、ユーザー企業の内製化を支援するためのソリューションを持ったAWSパートナーを、日本独自に「内製化支援推進AWSパートナー」と位置づけ
- 2024年3月15日、新規参加となったAWSパートナーは「Aokumo株式会社」「ソニービズネットワークス株式会社」「株式会社ナレッジコミュニケーション」「株式会社ベンジャミン」の4社
【Anthropic関連】Anthropic、AWS、アクセンチュアが提携し、
企業向けの信頼できるソリューションを構築
●2024年3月20日 Anthropicニュース(英語)
Anthropic, AWS, and Accenture team up to build trusted solutions for enterprises
- Anthropic、Amazon Web Services(AWS)、Accentureの3つの組織により特に正確性、信頼性、データセキュリティが重要な規制されたセクターで、生成的AIのアイデアをコンセプトから製品化するための重要なリソースを提供する。企業は、データをプライベートかつ安全に保ちながら、特定のニーズに対応するモデルを展開可能
- Accentureのエンジニアは組織が自社のデータを使用してAnthropicのモデルをAWS上で微調整し、使用ケースと業界のパフォーマンスを向上させることを支援、またAccentureとAWSのチームは顧客に迅速なプラットフォームエンジニアリングのガイドを提供し、Amazon BedrockとAmazon SageMakerを介してAIモデル展開を支援
- Anthropicの技術的なAIの専門知識、AWSのセキュリティと信頼性へのアプローチ、Accentureの深い業界知識を組み合わせることで、信頼性のあるセクター向けのカスタマイズされたソリューションを提供し、人間を中心に据えた強力なAIシステムの採用を効率化することを目指す
Anthropic:
Anthropicは、OpenAIの元メンバーによって設立されたアメリカの人工知能(AI)スタートアップ企業兼公益法人。責任あるAIの使用を企業理念とし、汎用人工知能(AGI)と大規模言語モデル(LLM)の開発を専門としている。
OpenAIのChatGPTに関与した元研究者で構成されたAnthropicは、Claudeという名前の独自のAIチャットボットの開発を始め、2024年3月4日にClaude 3を公開(3モデル:Opus、Sonnet、Haiku)。
URL:https://www.anthropic.com/
Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/Anthropic
【マイクロソフト関連】マイクロソフトと NVIDIA、
あらゆる企業の生成 AI 活用を加速する大規模な統合を発表
●2024年3月19日 Microsoft Japan News Center
マイクロソフトと NVIDIA、あらゆる企業の生成 AI 活用を加速する大規模な統合を発表
- Microsoft AzureがNVIDIA Grace Blackwell Superchipを採用し、お客様と自社によるAI機能提供を加速
- NVIDIA DGX CloudとMicrosoft Fabricとのネイティブ統合により、お客様独自のデータを用いたカスタムAIモデルの開発を効率化
- NVIDIA Omniverse Cloud APIがAzure Powerの工業デザインおよびシミュレーションツールのエコシステムで初めて利用可能に
- Microsoft CopilotがNVIDIAのAIとアクセラレーションコンピューティングプラットフォームにより強化
- 企業、開発者、ヘルスケアアプリケーション向けの新しいNVIDIA生成AIマイクロサービスがMicrosoft Azure AIで利用可能に
NVIDIA (NASDAQ: NVDA):
1993年の創業以来、アクセラレーテッドコンピューティングのパイオニア。NVIDIAによる1999年のGPUの発明はPCゲーム市場を牽引し、コンピューターグラフィックスの世界を再定義し、今日のAI時代の起爆剤となり、あらゆる業種のデジタル化を推進。現在、NVIDIAは、業界を再構築するデータセンター規模の製品を提供するフルスタックコンピューティングインフラストラクチャ企業。
Newsroom URL:https://nvidianews.nvidia.com/
マイクロソフト、国内の AI 及びクラウド基盤増強に 4,400 億円を投資
リスキリング、研究拠点の新設、サイバーセキュリティ連携で日本経済に貢献
●2024年4月10日 マイクロソフトプレスリリース
マイクロソフト、国内の AI 及びクラウド基盤増強に 4,400 億円を投資 リスキリング、研究拠点の新設、サイバーセキュリティ連携で日本経済に貢献
- マイクロソフトは日本のAIとクラウド基盤の強化のために、約4,400億円(29憶米ドル)を投資。データセンターを増強し、最先端のGPUを導入する見通し
- 技術者育成にも注力し、3年間で非正規雇用を含む300万人を対象にリスキリング機会を提供
- 東京にマイクロソフトリサーチの新研究拠点を設立
- 日本政府とのサイバーセキュリティ分野での連携を強化
いかがでしたか。「生成AIの進化がますます加速している」と感じられたのではないでしょうか。
最後に、実際に触って体験できる動画生成AI「Nolang」を紹介します。「まだ生成AIをあまり使ったことがないよ!」という方でも簡単に使えますので、ぜひこのツールから生成AIを使い始めてみてください。
プロンプトからAIが解説動画を生成する「NoLang」がリリース
~Webページの要約動画も
●2024年3月26日 株式会社MavericksのX
https://twitter.com/sayhi2ai_jp/status/1772405627924742611?s=46&t=emL5CSKUZzbmdK5juiqjFA
- 「NoLang」は株式会社Mavericksが開発したリアルタイム解説動画生成AIサービス
- テキスト入力やWebページの表示内容を、即座に解説動画に変換してくれる
- 現時点で料金は無料。Googleアカウントでログインすることで、1日10回まで動画生成ができる
株式会社Mavericks:
東京大学発の生成AIに特化したベンチャー企業。生成AIや大規模言語モデル(LLM)の開発・利活用、ソフトウェアの開発に幅広い専門性を持つ。LLMや検索エンジンと連携したデータベースの開発・運用等のサービスを提供
URL:https://www.mvrks.co.jp/
【サービスの機能と特徴:ここがすごい】
- テキスト入力だけで即座に解説動画を生成
- 「続けて質問」から追加の入力をし、動画の続きを生成することも可能
- Chrome拡張機能でWebページやPDFファイルも動画化
- Webブラウザ上のアイコンを押すだけで、閲覧しているWebページやPDFの要約動画を生成できる
- 英語の文章は日本語に訳して動画化してくれる
- ログイン後のマイページからさらに便利に
- 過去に生成した動画の見返しやDL・共有が可能
- 再生速度(0.75倍~2倍速まで)や再生音声(5種類のボイスあり)の設定も変更できる
【実際に使ってみた様子がこちら】
- テキスト入力で動画生成:「生成AIで動画が作れる仕組み」を質問
- 体感3~5秒程度で1分前後の動画が生成できた。内容は概要レベル
参考動画:「AIが切り拓く動画制作の未来」 - 「続けて質問」で、より詳細な仕組みを質問。するとAIがどんな要素を読み取って情報を抽出し映像として構成しているのか、順を追って説明してくれた
- Googleログインをすると、質問した動画は一連のスレッドとして保存できる
- 体感3~5秒程度で1分前後の動画が生成できた。内容は概要レベル
- Chrome拡張機能でWebページを動画化:
- 要約したいWebページを開いたまま、右上の拡張機能のボタンを押すだけ。こちらも5秒前後で動画が作成できた
- 動画の内容も時折誤りや音声の読み上げ方が気になる点はあったが、個人的には満足のいくレベル
生成AIの世界はまさに日進月歩。引き続きどんなニュースが飛び出してくるか、目が離せません。Nolangのようなツールも活用して効率的にキャッチアップをしていきたいですね。
【今回の深掘り】
最後に、もう一歩深掘りして実際の活用シーンを紹介します。
例えば、新入社員向けに財務諸表の基礎と実践的な活用法を伝えたいケースを想定して、講義動画を作ってみました。Nolangに「財務諸表とは何か?」を質問するだけでも一瞬で解説動画ができ、このスピード感も生成AIの大きな魅力ですが、他の生成AIと組み合わせることで、さらに質も進化させていけます。
ChatGPTとClaude 3で原稿のたたき台を作成し、そのたたき台をもとに作成した原稿を使ってNoLangで動画を作成したところ、より伝えたい内容の動画が数本作成できました。これにより、全員が隙間時間に1分程度の動画で基礎知識を学習でき、共通言語によるコミュニケーションや業務が効率化される可能性も秘めています。
「生成AIで仕事が奪われるのではないか」という不安の声もありますが、マイクロソフトが300万人の技術者育成に乗り出すように、新たな機会も生まれていくはずです。
この変化を乗りこなし、楽しみ尽くしていきましょう! 本連載が、その一助となれば幸いです。
おわりに
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今後も、生成AIに関する最新情報とその深掘りを発信していくので、楽しみにしていただけると嬉しいです。次回の投稿をお楽しみに!
中部地区最大級 生成AI体験イベント
名古屋では初の、大規模な生成AIの体験イベントです。
最新の生成AIサービスが体験でき、子供から大人まで楽しめる企画となっています。また、第一線で活躍する専門家の講演により、生成AIの動向も学ぶことができます。
AIと一緒に、「好き」を伸ばそう
“自分の好きなことを伸ばすためにAIに触れる"企画をご用意しています。
AIと触れあいながら、新しい世界への扉を開くきっかけとなる、そんなイベントになっています。
- 開催日時:2024年5月6日(月・祝) 10:00~17:00
- 開催場所:イオンモールナゴヤドーム前 1Fサウスコート
名城大学 ナゴヤドーム前キャンパス 西館2F 社会連携ゾーン shake - 参加費:無料
- イベントURL:https://aiexpo-nagoya.com/
- 公式X:https://twitter.com/AIEXPO_Nagoya
AIについて楽しく学び、体験できるイベントとなってますので、皆さんのご参加をお待ちしております!
※本ニュースは「IKIGAI lab.」が配信しているコンテンツです。
IKIGAI lab.はこちらをご覧ください。
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