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IT英語:ITエンジニアのための英会話場面集

2021年4月23日(金)
宮園 順光(みやぞの よりみつ)

はじめに

ITエンジニアに必要な単語や表現の知識は持っていても、会話になると上手に話せないということはありませんか。ITエンジニアは、技術的な問い合わせ、社内外の打ち合わせ、納品後の障害トラブル等、様々な場面への対応が求められますが、それらを英語で行うことは簡単ではありません。

多岐にわたる場面に英語で対応できるようにするためには、単語や表現を知ることに加えて、それらが会話でどのように使われているのかや、会話の流れを実際の会話を見ながら確認することが重要です。

そこで今回は、ITエンジニアの「営業との打ち合わせ」「設計についての社内打ち合わせ」「顧客への開発に関する進捗報告」という3つの場面の動画を想定して、それぞれ会話を行う際のポイントと表現の解説と会話の中での使い方、応用例を確認していきます。

場面① 営業との打ち合わせ

最初に取り上げる場面は、「営業との打ち合わせ」です。

営業担当(男性)が、顧客であるABC社の担当者から、現在社内で抱えている営業活動の管理方法に関する問題を聞き取り、それを解決できるシステムを導入したいという相談を受けてきました。この会話では、営業が相談内容をSE(女性)に伝え、SEがいくつか質問をします。

まずは動画を観てください。話している内容は、英語と日本語訳の字幕で表示されますが、まずは字幕に頼らず観るようにしましょう。一度動画を観た後に、内容を理解できるまで数回観ると効果的です。

この会話では、営業とITエンジニアが行う社内の打ち合わせにおける流れが、とても分かりやすくなっています。

打ち合わせの内容、また、何回目の打ち合わせかによって流れは異なりますが、今回は初回の打ち合わせということで、下記の流れとなっていました。

  1. 結論
  2. 質問
  3. 次の行動

英語では「結論から伝える!」ことが鉄則で、それは打ち合わせでも同じです。今回の会話では「ABC社で抱えている問題を解決するために、システムの導入を相談された」という部分が結論ですが、これを冒頭の2文で全て伝えています。まずは結論をできるだけ簡潔に伝えることがとても大切です。

結論を述べれば、他の参加者は知りたい情報を聞くことができます。ここでもSEがシステム導入に向けて、知りたい情報をいくつか尋ねています。

SEが情報収集するための質問は、Yes/Noの質問よりも、5W1Hの疑問詞(Who、What、When、Where、Why、How)を使った具体的な答えを求める質問が断然多いです。今回の会話では、現在の情報管理方法等を聞くことが多いため、Howの疑問文が多くなっていました。

今回使われていた表現をいくつか確認してみましょう。

How much are they thinking in terms of budget?
 (予算はどの程度でお考えなのでしょうか?)

How many sales reps do they have?
 (営業は何名ですか?)

How are they managing their sales activities currently?
 (現状ではどのように営業活動を管理していますか?)

Also, how do they conduct their sales activities?
 (また、どんなやり方で営業活動をされているのですか?)

会話文で登場する順番とは少々異なりますが、いずれもHowを使った疑問文です。情報を確認する際には、このような疑問文を作れるようにすることが大切です。

①と②の形は見慣れている方も多いと思います。① How much is/are…は、価格や費用等、「金額」を尋ねる際に使います。この文では「予算」がどれだけあるのかを尋ねています。

また、How muchは、下記の文のように直後に名詞を入れて、その「もの」の量等を尋ねることができます。

How much time do we have until delivery?
(納品までどのくらい時間がありますか?)

How muchの後に名詞を置く際は、必ず不可算名詞(数えられない名詞)を入れる必要があります。もし、可算名詞(数えられる名詞)を置きたい場合には、② How many…の疑問文を使って下記のような文ができます。

How many functions does the current system have?
(現在のシステムには、いくつの機能がありますか?)

このように、How muchHow manyは、いずれも名詞を後に置くことができますが、「数えられる」か「数えられない」かで、どちらを使うかが分かれるので注意しましょう。

次に、③ How is/are+人+動詞ingの形を見てみましょう。

Howは主に「方法」や「状態」を尋ねる役割を持つ単語です。例えば、How are you? (元気ですか?)は相手の「状態」を確認する質問で、How do you go to work? (どのように会社へ通勤しているの?)は通勤する「方法」を尋ねる質問です。

How are they managing their sales activities currently? は「どのように営業活動を管理しているのか?」という「方法」を尋ねています。この疑問文の形を確認すると、Howの後に「be+動詞ing」という現在進行形が続いていることが分かります。この現在進行形は、現在行っていることを表す際に用います(使い方によっては、未来を表すこともできます)。よって、この形は「現在行っている方法」を尋ねたい時に使うことができます。

下記の例文で、同じ形の疑問文を見てみましょう。

How are they programming the system remotely?
(彼らは遠隔でどのようにシステムのプログラミングを行っているのですか?)

最後は④ How do they conduct their sales activities? です。この疑問文は、Howの後にdoから始まる疑問文が入っています。Do they~? は「彼らは(普段)~はしますか?」という意味の質問です。よって、④の疑問文は「普段何らかの行動をどのように行っているか?」という意味になります。

③と似ていますが、③は「現在」という部分が強調されているのに対し、④は「普段」について尋ねているので、例えば「今回は異なるけれども、普段はどのように行っているのか?」を尋ねる際には、④の形を使うとそのニュアンスが伝わりやすくなります。

How do…? の形の例文を1つ紹介しましょう。

How does the client maintain their server?
(このお客様は、どのようにサーバーを維持していますか?)

Howには多くの意味があり、多くの組み合わせが可能なので、上記以外の使い方も存在します。しかし、まずは上記のパターンを覚えておくと、打ち合わせで情報を確認する際に楽になります。

場面② 設計についての社内打ち合わせ

2つ目の場面は、「設計についての社内打ち合わせ」です。

この場面では、SE(女性)が上司(男性)に「金融機関のサーバーを入れ替える」という案件の作業スケジュールを報告し、意見を聞いています。

この会話では、下記の3つの重要なポイントがあります。

  1. 順を追って作業内容を伝える
  2. 意見を求める
  3. 意見に対して反応する

これらのポイントがどのように会話に含まれているかも確認しながら、動画の会話を聞いてみてください。今回も、まずはなるべく字幕を読まずに会話を聞き、その後、字幕を見ながら内容を理解しましょう。

いかがでしたか? この会話の最初のポイントは「順を追って作業内容を伝える」という点です。

打ち合わせでは、物事の順番を分かりやすく伝える必要があります。その際に効果的な方法が、会話にも登場するFirst、Then、After thatという単語を使うことです。

First, … / Second, … / Third, …のように、「第一に」「第二に」「第三に」と言うこともできますが、少し硬く聞こえます。

そこで、First, …の後にThen, … 「そして」/ After that, … 「その後」/ Next, … 「次に」のような単語を使えば、より口語的に聞こえるようになるので、社内での打ち合わせにより相応しい言い方になります。

最後は、Finally, …Lastly, …のような単語で締めると良いでしょう。

2つ目のポイントは、作業スケジュールについて「意見を求める」ことです。その際に使っている表現が下記の2つです。

I would like to have your opinion on it.
 (それについてご意見いただければと思います。)

How do you feel about this approach?
 (この流れでいかがでしょうか?)

I would like to have your opinion on it.は、説明の前に、あらかじめ「意見を伺いたい」と一言付け加える際の表現ですが、どのような場面でも、相手の意見を知りたい時に使えるとても便利なものです。I would like toI want toと同じ意味ですが、丁寧な表現なので、顧客や目上の人に意見を求める際はI would like toを使うようにしましょう。

また、同じような意味でI would like to ask for your opinion on it.という伝え方もあります。haveは「いただきたい」、ask forは「伺いたい」というニュアンスの違いはありますが、意見を求める際は、どちらを使っても問題ありません。

①はHow do you feel about…? という表現を使った質問文です。「…についてどう思われますか?」「…はいかがでしょうか?」という意味を持っています。aboutの後にthis approachのように名詞を入れるか、「…すること」という意味を持つ動名詞を入れることができます。この表現の応用として動名詞を入れると、下記のような例文になります。

How do you feel about conducting the test next week?
(来週テストを実施するというのはいかがでしょうか?)

最後のポイントは、「意見に反応する」です。今回の会話では、上司より「障害復旧テストを入れた方が良いのでは」という意見と、「スケジュールに1週間のバッファーを持たせる」という提案がありました。それらに対して、SEは下記のように反応しています。

I agree. We should do that. I will revise the schedule and include it.
 (そうですね。そうすべきですね。それを含めてスケジュールを組み直します。)

I will make sure the schedule reflects that just in case.
 (万が一のためにそれも考慮して、スケジュールを組み直します。)

①は、相手の意見にI agree.と同意した上で「スケジュールの見直しを行う」と伝えています。その際の表現はI will revise…です。reviseの後には、見直しをする対象のものを入れることができます。

I will revise the task allocation with the members.
(作業の振り分けをメンバーと一緒に見直します。)

I will make sure…は、意見や助言を受けて、何かを間違いなく行う際に使える表現です。

I will make sure that A does B.
(間違いなくAがBするようにします。)

また、何らかの行動を自分自身が間違いなく行うと伝える際は、下記を使うことができます。

I will make sure to …
(間違いなく…を行います。)

それぞれの例文を見てましょう。

I will make sure that Jack gets help from Rick.
(JackがRickから間違いなく助けを得られるようにします。)

I will make sure to report the delay to ABC Corporation today.
(遅れについて本日間違いなくABC社に報告します。)

これらのポイントと表現を覚えて、社内の打ち合わせに対応できるようにしましょう。

場面③ 顧客への開発に関する進捗報告

最後は「顧客への開発に関する進捗報告」です。進捗状況は分かりやすく、かつ論理的に伝えることがとても大切です。

何らかの問題が生じた場合、下記の流れで報告を行いましょう。

  1. 結論
  2. 理由
  3. 対応

最初に結論を伝える際は、必ず問題を明確にしましょう。例えば、作業が遅れている場合、「遅れている」ということを伝えずに、「想定していたより難度が高い」や「恐らく明日までには〇〇の作業が完了する」のように、遅れていることを遠回しに伝えてはいけません。

今回の動画では、SE(女性)が顧客(男性)にプロジェクトの進捗状況を伝えています。少し遅れが生じていること、遅れている理由、そして今後の対応を簡潔に述べています。それらをどのように伝えているかに注目しながら、動画を観てみましょう。

いかがでしたか? 上記の3つのポイントに沿って、SEはとても分かりやすく説明ができていたのではないでしょうか。

それでは、3つのポイントで使われていた表現を基に、流れを確認していきましょう。まず、現状をはっきり伝えるという点を、下記のように伝えていました。

The overall progress rate is 75% and things are going well in general. However, there is a slight delay of three man-days with the daily report function.
 (全体の進捗率は75%で、概ね順調に進んでいます。しかし、日報機能について3人日の遅れが生じています。)

まず、全体的な進捗状況を伝えています。ここで、概ね順調に進んでいることが分かります。その後、There is a slight delay of A with B.という表現を用いて遅れを報告しています。

この表現はとても簡潔なので、是非覚えておきたいものです。

of Aで遅れている「期間」を表し、その後、with Bで遅れている内容を伝えます。

応用として、例文を見てみましょう。

There is a delay of 2 days with the survey function.
(アンケート機能が2日遅れています。)

ちなみに、slightdelayの前に付けると、「少し」遅れているということを表すことができます。

遅れていることを伝えた後は、理由です。今回の会話では、顧客より理由と対応について尋ねられましたが、それがない場合でも、下記のような表現を使って伝えましょう。

The main reason is because the degree of difficulty is higher than we anticipated, and it is taking more man-hours than originally planned.
(遅れの主な原因は、当初想定よりも難易度が高く、計画していたより工数が掛かってしまったことです。)

The main reason is because…という表現は、一番の原因を伝える際に使うことができます。becauseの後には、通常の主語と述語から始める節が続きます。もしこちらから「遅れている主な理由は」と述べる際は、下記のいずれかの表現を使うと良いでしょう。

The main reason for the delay is because…

The main reason why we are behind schedule is because…

delayは「遅れ・遅延」を意味し、behind scheduleは「予定より遅れている」という意味になります。

各表現を例文で確認してみましょう。

The main reason for the delay is because the billing function had some minor problems.
(遅れの主な理由は、請求機能でいくつか小さな問題があったからです。)

The main reason why we are behind schedule is because the billing function had some minor problems.
(予定より遅れている主な理由は、請求機能でいくつか小さな問題があったからです。)

最後は「対応」です。問題があった場合、原因を報告することはもちろんですが、それをどのように解決するかを伝えることが大切です。今回の会話では、下記の方法で今後の対応を伝えていました。

We decided to take action by assigning one of our expert engineers to work on the task for now.
(対策としては、社内の熟練のエンジニアの1人をこの作業に割り当てて対応することにしました。)

We decided to take action by…という表現は、「…を行い対応することにしました」という意味です。他にも、We will resolve the problem by…として「…を行い、問題を解決します」と言うこともできます。例文を見てみましょう。

We decided to take action by changing the passcode from 5 digits to 6 digits.
(パスコードを5桁から6桁に変更することで対応することにしました。)

We will resolve the problem by changing the passcode from 5 digits to 6 digits.
(パスコードを5桁から6桁に変更することで問題を解決することにしました。)

以上が顧客へ進捗報告を行う流れと使える表現です。是非こちらも覚えて、スムーズに進捗報告ができるようにしましょう。

おわりに

今回は、3つの実践的な打ち合わせの場面を取り上げ、英語を使って情報のやり取りをする流れを確認しました。打ち合わせの内容によって用いる表現は異なりますが、今回紹介した表現に加え、それぞれの会話の流れ(ポイント)を頭に入れておくことで、様々な場面に対応しやすくなります。

ほぼ全ての会話で重要なことは、英語で話す際は「結論」を伝えることから始めるという点です。遠回しな伝え方はせず、事実を簡潔に話すように意識しましょう。今回の会話文を参考に、実際の業務で英語を使えるようにしていきましょう!

著者
宮園 順光(みやぞの よりみつ)
株式会社グローレン
株式会社グローレン 取締役。小学校〜高校卒業までをベルギーで過ごす。上智大学を卒業後、大手英会話スクールにて7年間教務主任として多くのクラスを担当。外国人講師の指導にも従事。マンツーマン英会話教室の代表を経て、2014年から現職にて語学プログラムの総監修を務める。これまで1万人以上にレッスンを提供。TOEIC990点、英検1級。

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