プロジェクト管理で役立つ英語フレーズ 〜計画から成果物まで〜
はじめに
IT業界をはじめ、仕事を進める上で欠かせないプロジェクト。プロジェクトの準備や進捗管理、成果物の確認等でよく使われる単語やフレーズを知っておけば、スムーズに業務が進むこと間違いなしです!
今回は、外資系企業でIT関連を含むさまざまなプロジェクト管理を経験した筆者が、知っておくと便利な英単語・フレーズを厳選して紹介します。
1. プロジェクトの
準備・初期段階で使う英語フレーズ
まずは、Project Definition(プロジェクトの定義づけ)と呼ばれたりする、プロジェクト開始前に確認すべき事項の英語表現です。
・project objectives:プロジェクトの目的
どのようなプロジェクトでも、まずはその目的を明確に定義することが欠かせません。
【例文】First of all, let’s define the project objectives.
(まず始めに、プロジェクトの目的を定義しましょう。)
・project timeline:プロジェクトのタイムライン
Gantt chart(ガントチャート)のような形で、タスクの期限やマイルストーンを時系列で表示し、プロジェクトの進め方を明確にします。
【例文】We will establish the project timeline by tomorrow.
(明日までにプロジェクトのタイムラインを作成します。)
・project deliverables:プロジェクトの成果物
プロジェクトの成果として期待される製品やサービス、レポートや文書などを明確にします。少し難しく感じる単語ですが、deliver【(成果などを)出す】+able【可能な】という組み合わせで覚えておきましょう!
【例文】There are five deliverables in this project.
(このプロジェクトでは、5つの成果物があります。)
・project scope:プロジェクトの範囲
プロジェクトのスコープ・範囲を決めることで、何をやるか・やらないか、プロジェクトの成果物には何が含まれるか・含まれないか、を明確にします。
【例文】The project scope will be determined in the meeting next week.
(来週の打ち合わせでプロジェクトの範囲を決定します。)
・project budget:プロジェクトの予算
プロジェクトに必要な費用を予測し、確保する必要があります。
【例文】We need to secure the budget for this project.
(このプロジェクトのために予算を確保しなければならない。)
・project risk management:プロジェクトのリスク管理
プロジェクトの進捗や成功の妨げになり得るリスクを特定し、対応するために計画を立てたり、分析をしたりします。
【例文】It is important to talk about the risk management for this project.
(このプロジェクトのリスク管理について話すことは重要です。)
また、プロジェクトに関わるメンバーの役割には、下記のようなものがあります。
- project manager(PM:プロジェクトマネージャー)
- project leader(PL:プロジェクトリーダー)
- project management office(PMO:プロジェクトマネジメントオフィス)
- project members(プロジェクトメンバー)
- project stakeholder(プロジェクトの利害関係者)
役割が決まった後、project timelineで定めた各タスクの担当者を決める際には、下記のような表現を使います。
・assign a task to…:〜にタスクを担当させる
【例文】I’d like to assign this task to Mr. A.
(このタスクはAさんに担当をお願いします。)
・be in charge of…:〜を担当する
【例文】Mr. A will be in charge of the software development.
(Mr. Aがソフトウェア開発を担当します。)
2. プロジェクトの進捗を表す英語フレーズ
次に、無事プロジェクトが始動し、その進捗を確認する際に使う英語フレーズを見ていきましょう。
・status of the project:プロジェクトの進捗
定期的に確認し、計画通りに進んでいるか、解決すべきissues(課題)はないか、を確認します。progress report(進捗レポート)のような形で報告されることもあります。
【例文】Could you give us an update on the project status?
(プロジェクトの最新状況を教えていただけますか?)
各タスクの進捗具合を表す英語フレーズは、表でまとめて確認しましょう!
フレーズ | 訳 | 例文 |
---|---|---|
on schedule | 予定通り | We are on schedule. (予定通りです。) |
ahead of schedule | 予定より前倒し | We are ahead of schedule. (予定より前倒しで進んでいます。) |
behind schedule | 予定より遅れている | We are behind schedule. (予定より遅れています。) |
in progress | 進行中 | The task is now in progress. (そのタスクは現在進行中です。) |
completed | 完了している | The task is completed. (そのタスクは完了しています。) |
delayed/td> | 遅れている | The task is delayed. (そのタスクは遅れています。) |
postponed | 延期される | The task is postponed. (そのタスクは延期されました。) |
rescheduled | 予定が変更される | The task is rescheduled. (そのタスクの予定は変更されました。) |
pending | 一時停止している | The task is pending. (そのタスクは一時停止しています。) |
また、プロジェクトの進捗確認によく使われるフレーズもいくつか紹介します。
・confirm…:〜を確認する
「確認する」という意味では、checkという単語を思い浮かべる方も多いかも知れませんが、ビジネスの場面では「より注意深く確認する」というニュアンスのあるconfirmがよく使われます。
【例文】I’d like to confirm the detail of this delay.
(この遅れの詳細を確認したいです。)
・execute…:〜を実行する
「(職務や計画・命令を)実行する・遂行する」という少し強めのニュアンスの単語です。doの丁寧な言い方、とも言えます。
【例文】Let’s execute the task according to the plan.
(計画に沿って、そのタスクを実行しましょう。)
・investigate…:〜を調査する
プロジェクトで何か問題が起こったときに、その原因を調査することを表す際に使われます。investigation(調査)という名詞もあわせて覚えておきましょう。
【例文】We need to investigate the cause of the issue.
(その問題の原因を調査する必要があります。)
・implement:〜を導入する
プロジェクトで開発したシステム等を導入する際に使います。implementation(導入)という名詞もあわせて覚えておきましょう。
【例文】The project objective is to implement a new system.
(プロジェクトの目的は、新しいシステムを導入することです。)
・catch up:遅れを取り戻す
プロジェクトで遅れが発生している際に、何かしらの対策により、遅れを取り戻そうとする際によく使われるフレーズです。
【例文】We’ll be able to catch up by next week.
(来週までには遅れを取り戻せます。)
・due to…:〜が原因で
課題や遅れの理由を説明する際によく使われます。because of…(〜のために)も同じような場面で使うことができます。
【例文】Due to the lack of resources, the task was postponed.
(リソースの不足により、そのタスクは延期されました。)
・as soon as possible:なるべく早く
計画通りに進まないことが多いプロジェクトですが、その中でも急を要する場合には、このフレーズが使われます。メールではASAPと略して書かれることも。ただし、国際的なメンバー間でこのフレーズを使う際には、時間の感覚が違う可能性があるので注意が必要です。このフレーズに頼りすぎずに、いつまでに必要なのか、日時を明確に伝えたほうが良い場合もありますよ。
【例文】Could you send me an updated timeline as soon as possible?
(最新のタイムラインをなるべく早く送っていただけますか?)
・immediately:すぐに
as soon as possibleよりも、さらに緊急性が高いニュアンスです。
【例文】We’ll confirm the details immediately.
(すぐに詳細を確認します。)
3. プロジェクトの終わりにかけて
使われる英語フレーズ
最後に、プロジェクトの終わりにかけて使われる英語フレーズと例文です。
・delivery date:納期
商品やサービスをお客様に納入する日を表します。
【例文】The delivery date of this project is in two weeks.
(このプロジェクトの納期は2週間後です。)
・deadline:締切
タスクを終わらせるべき期限・締切日を表します。
【例文】We’ll be able to meet the final deadline.
(最終締め切りに間に合いそうです。)
・release:発表する、公開する、発売する
何かを解き放つ、というイメージで、情報や製品を発表・公開・発売することを表します。
【例文】The updated version will be released tomorrow.
(更新されたものが明日公開されます。)
・launch:(新しい商品・サービス等を)発売する・(キャンペーン等を)開始する
ロケットを打ち上げるという意味でも使われる単語ですが、プロジェクト管理でもよく耳にします。カタカナ英語では「ローンチ」と表現されますね。
【例文】The new service was launched yesterday.
(昨日、新サービスが発売されました。)
似たような意味合いの英単語・フレーズが多いですが、ニュアンスの違いも含めて覚えておけば、プロジェクトで役立つこと間違いなしですよ。
おわりに
今回は、プロジェクト管理でよく使われる英語フレーズを紹介しました。皆さんが英語でプロジェクトを進める際のお役に立てば嬉しいです。
カタカナ英語で聞いたことがあるものも多かったかも知れませんが、例文で意味や使い方をしっかり確認して、正しく使いこなせるようにしておきましょう!