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連載 [第22回] :
  月刊Linux Foundationウォッチ

LFがエントリーレベルの認定試験「認定Kubernetesクラウドネイティブアソシエイト(KCNA-JP)」日本語版を提供開始

2022年7月29日(金)
吉田 行男

こんにちは、吉田です。Linux Foundation(以下、LF)から、さまざまな発表がされていますが、今回はその中でもクラウドネイティブ関連のものを紹介します。

「認定Kubernetesクラウドネイティブアソシエイト」試験が日本語で受験可能に

LFは、エントリーレベルのクラウド認定試験「認定Kubernetesクラウドネイティブアソシエイト(KCNA-JP)」を日本語版での提供を開始しました。この試験は、Cloud Native Computing Foundation(CNCF)とLFが共同で開発し、昨年11月より開始された「Kubernetes and Cloud Native Associate(KCNA)」の日本語版です。

【参照】「認定Kubernetesクラウドネイティブアソシエイト」日本語で受験可能に
https://www.linuxfoundation.jp/press-release/2022/07/kubernetes-and-cloud-native-associate-certification-is-now-available-in-japanese/

本試験は多肢選択式の認定試験で、Kubernetesと広範なクラウド ネイティブ エコシステムのエントリー レベルの知識とスキルをテストするものです。基本的なkubectlコマンドを使用してアプリケーションをデプロイする方法、Kubernetesのアーキテクチャ(コンテナ、ポッド、ノード、クラスター)、クラウド ネイティブ ランドスケープやプロジェクトの理解(ストレージ、ネットワーク、GitOps、サービスメッシュ)、クラウド ネイティブ セキュリティの原則の理解などの知識が問われます。

本試験の対象者は、クラウドネイティブ技術とコンテナ オーケストレーションの世界に初めて触れる開発者および開発志望者、管理者、アーキテクト、マネージャーです。また、クラウドネイティブ技術を活用した事業の拡大や転換に伴う人材の確保に対処するための、既存の従業員のリスキリングおよび状況の確認にも有効なものです。

本試験で問われる具体的な知識は下記の通りです。

# 項目 割合 内容
1 Kubernetes基礎 46% リソース、アーキテクチャ、API、コンテナ、スケジューリングなど
2 コンテナオーケストレーション 22% コンテナ オーケストレーションの基礎、ランタイム、セキュリティ、ネットワーク、サービスメッシュ、ストレージなど
3 クラウドネイティブ アーキテクチャ 16% クラウド ネイティブ アーキテクチャの基礎、自動スケーリング、サーバーレス、コミュニティとガバナンス、ペルソナ、オープンスタンダードなど
4 クラウドネイティブの可観測性 8% テレメトリと可観測性、 Prometheus、およびコスト管理
5 クラウドネイティブ アプリケーションデリバリー 8% アプリケーション デリバリーの基礎、GitOps、CI/CD

このような試験を提供することには、どのような意味があるのでしょうか。少し考えてみたいと思います。

昨今のKubernetesの拡がりには、目を見張るものがあります。米国VMware社の調査によると、デプロイされているクラスタ数が2021年から2022年にかけて急激に増加しています(下図)。特にクラスタ数「51以上」の割合が16%から29%と非常に増加しています。このように大規模環境でKubernetesが利用されるようになってきていることを考えても、主流になったと考えても良いと思います。さらに約半数が「50%以上増加する」と回答しており、今後ますますKubernetesのクラスタ数が増加する傾向は止まるところを知らない状況になってきています。

現在運用中のKubernetesクラスタ数

現在運用中のKubernetesクラスタ数【参考】VMWare Japan Blog

また、アプリケーションの柔軟性」や「開発者の効率向上」などソフトウェアの開発にとってメリットがあるだけでなく、「クラウドの利用率向上」や「クラウドのコスト削減」などクラウドに関する項目にも注目が集まっています(下図)。

Kubernetesの導入を促進する主な要因

Kubernetesの導入を促進する主な要因【参考】VMWare Japan Blog

このようにKubernetesの普及につれて、開発者だけでなく、それ以外の人たちにもクラウドネイティブ技術を理解する必要が出てきたため、LFは本試験を始めたわけですが、その準備のためのトレーニングコース「Kubernetesとクラウドネイティブ基礎(LFS250-JP)」も用意されています。

本トレーニングコースでは、前述の試験内容をカバーするようにクラウドネイティブ技術の概要を解説後、コンテナオーケストレーションについて詳しく学習します。受講者は、Kubernetesのハイレベルなアーキテクチャを学び、コンテナオーケストレーションの課題、分散環境におけるアプリケーションのデリバリーおよび監視方法について理解を深めることができ、コンテナオーケストレーションがレガシー環境と異なる点なども説明しています。

さらに、本試験だけではなく、CNCFが提供するトレーニングの登録者や認定試験の合格者数は、下記のようになっています(「CNCF Annual Report」より)。

  • 「Kubernetes オンライントレーニング(MOOC)」の登録者数:22万9,000人
  • 「Certified Kubernetes Administrator(CKA)」試験の合格者数:70,000人
  • 「Certified Kubernetes Application Developer(CKAD)」認定試験の受験登録者数:3万4,000件
  • 「Certified Kubernetes Security Specialist(CKS)」認定試験:2020年11月に開始
  • 「Kubernetes Certified Service Provider(KCSP)」 プログラムでの認証:230
  • 「Kubernetes Training Partner(KTP)」 プログラムによる認定企業:57社

なお、現在日本語で受験可能な認定試験は下記の通りです。

  • 認定Kubernetes管理者(CKA-JP)
  • 認定Kubernetesクラウドネイティブアソシエイト(KCNA-JP)
  • 認定Kubernetesアプリケーション開発者(CKAD-JP)
  • 認定Kubernetesセキュリティスペシャリスト(CKS-JP)

おわりに

クラウドネイティブの普及に伴い、開発者のみならず、それ以外の人たちにも必要な知識が求められるようになってきました。そのような中でこのKCNA-JPはとても有用だと思いますので、トレーニングコースも含めて受講してみることをお勧めします。

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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