連載 [第5回] :
  GitHub Universe 2023レポート

写真で見るGitHub Universe 2023、狭いスペースを最大限に使った展示ブースなどを紹介

2024年3月13日(水)
松下 康之 - Yasuyuki Matsushita
GitHub Universe 2023のブースやハックできるカンファレンスバッジなどを紹介する。

GitHub Universe 2023は、サンフランシスコのダウンタウンにあるモスコーネセンターに隣接したSan Francisco Museum of Modern Art(SFMOMA)の施設を借り切って開催された。ここ数年はパンデミックの影響で、規模を縮小しての開催を余儀なくされていたが、2024年はかつてと同様にピアに移動して規模を拡大して開催されることが告知された。日程は2024年10月29日、30日の2日間となる。このレポートではセッション以外のトピックをまとめてお届けする。

ちなみに筆者が最初に参加した2017年のGitHub Universeの記事もぜひ参照してもらいたい。GitHubのイベント設計におけるセンスの良さが理解できるだろう。

●参考:【写真で見る】GitHub Universeが示す新しいイベントのスタイル

GitHub Universeのマスコットはネコとタコが合体したOctocatのMonalisaだ

GitHub Universeのマスコットはネコとタコが合体したOctocatのMonalisaだ

会場は屋内だけではなく屋外にも寛ぐための場所が複数設置されており、セッションに疲れたらここで一休みや食事も可能だ。

屋外に休憩スペースがあり、スナックや飲み物、DJブースも用意されている

屋外に休憩スペースがあり、スナックや飲み物、DJブースも用意されている

ちなみに色とりどりのドーナツはミニシアターと隣接しており、Demo&Donutと名付けられていた。

色とりどりのドーナツが用意されている。ネオンサインの「O」の部分がドーナツだ

色とりどりのドーナツが用意されている。ネオンサインの「O」の部分がドーナツだ

今回はRed Hatが参加していることでちょっとした話題になったが、Red Hatはドリンクのスポンサーでもある。「Fresh juice from our friends at Red Hat」というコピーが洒落ている。

Red Hatがフレッシュジュースのスポンサー

Red Hatがフレッシュジュースのスポンサー

なお毎回大人気のカフェオレのキッチンカーはPayPalがスポンサーで、「PayPal CodeBrew Cafe」と命名されていた。

毎回大人気で行列ができるカフェカー。今回はPayPalが提供

毎回大人気で行列ができるカフェカー。今回はPayPalが提供

またGitHubグッズを販売するショップも大人気で初日の夕方にはあらかた品切れしており、大人気だったGitHub Ugly Sweaterも買えなかった参加者が多かったようだ。

クリスマスが近いと増殖するアグリーなセーターが今回の目玉

クリスマスが近いと増殖するアグリーなセーターが今回の目玉

定番のTシャツやボトル、靴下やベースボールキャップだけではなくスケートボードも売られていた。

狭いショップのレジはグッズを買い求める参加者で混雑中

狭いショップのレジはグッズを買い求める参加者で混雑中

また今回は参加者のバッジにもサプライズが用意されており、ランダムに配布されたRaspberry Pi Picoベースのハックできるカンファレンスバッジが提供された。開発したのはイギリスのPimoroniで、公式サイトは以下のリンクから参照して欲しい。

Raspberry Pi PicoにE Inkのディスプレイが組み合わされたハック可能なカンファレンスバッジ

Raspberry Pi PicoにE Inkのディスプレイが組み合わされたハック可能なカンファレンスバッジ

●参考:https://github.com/badger2040/home

実際にUSBケーブルで繋いで通電すると、いくつかの機能が実装されていることがわかる。

基板のイラストもカスタマイズされているRaspberry Piベースのマイクロコンピュータ

基板のイラストもカスタマイズされているRaspberry Piベースのマイクロコンピュータ

GitHubのノベルティはセンスが良いものが多いが、今回もセーターはさておき、ロゴ入りのボトルやノートブックもオシャレな出来映えとなっていた。

オシャレなノベルティ。アグリーセーターはネタとしては抜群の出来だろう

オシャレなノベルティ。アグリーセーターはネタとしては抜群の出来だろう

トートバッグも各種のステッカーもいつも通りだが、今回からヘルメットにゴーグルを着けたCopilotのキャラクターが加わった。名前は何だろう?

いつものステッカーとトートバッグ。GitHub Social Codingは初期のタグライン

いつものステッカーとトートバッグ。GitHub Social Codingは初期のタグライン

ブースに目を向けるとGitHubは会場中央に大きなブースを構えてCopilotやDeveloper Experience、Securityの3つに絞って訴求を実施。その中でもMicrosoftは参加者と対話することを目的にブース設計されているようだ。

Copilotのブース。参加者が途切れずに訪れていた

Copilotのブース。参加者が途切れずに訪れていた

Microsoftのブース。隣のXebiaは生成型AIのコンサルティング会社だ

Microsoftのブース。隣のXebiaは生成型AIのコンサルティング会社だ

●参考:Creating Digital Leaders - Xebia

変わったところだとReadMeというベンチャーが出展していた。ReadMeはデベロッパーが開発したAPIのドキュメンテーションを支援する企業であるという。

●参考:ReadMe

またパスワード管理のベンチャーである1Passwordもブースを構えており、パスワードマネージャーをデベロッパー向けに訴求していた。

1Passwordも出展。FIDOのイベントではお馴染みのパスキーソリューションだ

1Passwordも出展。FIDOのイベントではお馴染みのパスキーソリューションだ

ちなみにMicrosoftも1Passwordもデベロッパーが好みそうなグッズを配布していた。

1Passwordの渋い編み込み靴下とMicrosoftのマルチケーブル

1Passwordの渋い編み込み靴下とMicrosoftのマルチケーブル

またARMも出展していたが、これはGitHub ActionsのARMプロセッサ向けのRunnerが仮想ハードウェアとして提供できるようになったことが背景にある。

ARMのブース。GitHub ActionsにARMベースの仮想ハードウェアを追加

ARMのブース。GitHub ActionsにARMベースの仮想ハードウェアを追加

ARMはミニシアターで仮想ハードウェアに関するセミナーも実施しており、組込系システムにおいてARMシステムを利用したいGitHub Actionsユーザーには待望の機能だろう。

ARMの仮想ハードウェアを使ってGitHub Actionsを実行可能に

ARMの仮想ハードウェアを使ってGitHub Actionsを実行可能に

ARMベースのRunnerに関しては以下を参照して欲しい。

●参考:https://arm-software.github.io/AVH/main/infrastructure/html/avh_gh.html

SFMOMAという街中の広さには制限のある会場での開催となったが、次の2024年には規模も拡大された会場での開催となり、KubeCon+CloudNativeCon North Americaとも重ならない日程(KubeCon NAは11月12日から15日、ソルトレークシティで開催予定)になっているので、AIを活用したペアプログラミングやドキュメント&テスト生成、そしてセキュリティにおけるAIの活用などの最新情報を得るために、可能であれば現地での参加をお勧めする。

著者
松下 康之 - Yasuyuki Matsushita
フリーランスライター&マーケティングスペシャリスト。DEC、マイクロソフト、アドビ、レノボなどでのマーケティング、ビジネス誌の編集委員などを経てICT関連のトピックを追うライターに。オープンソースとセキュリティが最近の興味の中心。

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