連載 [第7回] :
  GitHub Universe 2017レポート

【写真で見る】GitHub Universeが示す新しいイベントのスタイル

2017年11月16日(木)
松下 康之 - Yasuyuki Matsushita
GitHub Universe 2017レポートの最後は、IT系企業が開催するイベントの新しいスタイルという見地から会場のようすを紹介する。

ソースコードリポジトリーサービスのGitHubが主催したGitHub Universe 2017では、セッションだけではなくスポンサーやパートナーの展示もユニークだった。この連載の最後は、そんなイベントのスタイルについて紹介してみたい。

イベントそのものがPier 70というサンフランシスコの市内からは少し離れた場所、いわゆる波止場の倉庫跡地を利用したスペースで行われていること自体が、すでにユニークである。

外から見ると、いかにも倉庫跡地といった風情だ

外から見ると、いかにも倉庫跡地といった風情だ

そして倉庫の外に展示された巨大な自社のマスコット。建物からタコの足が生えているように見せるのも面白い。

GitHubのマスコット、モナリサの巨大なバルーン

GitHubのマスコット、モナリサの巨大なバルーン

建物からモナリサの足が生えている

建物からモナリサの足が生えている

GitHubは、自社のキャラクターであるモナリサが非常に人気者であることをよく承知しており、他のIT企業によるイベントではあまりお目にかからないノベルティのショップが併設されていることからも、その辺りのことが伺える。

OCTOSHOPと言う名のノベルティショップ

OCTOSHOPと言う名のノベルティショップ

マグカップからフィギュアまで品揃えは豊富

マグカップからフィギュアまで品揃えは豊富

建物の中は、何もないスペースにスポンサー各社が自由にスペースを設置するスタイルだ。各スペースの配置を見ると、主にゲストとの対話を目的としていることがわかる。日本のカンファレンスでよく見かけるデモのための液晶ディスプレイとラップトップ、それにパネル展示という定形とはだいぶ異なるものだ。

ブースのデザインも各社それぞれ

ブースのデザインも各社それぞれ

ミニセミナースペースもあるが、あくまでも対話が基本

ミニセミナースペースもあるが、あくまでも対話が基本

それほど大きなスペースを用意できない企業にとっては、とにかく目立つことが重要だ。まずは目立って耳目を集め、立ち寄ってもらえば対話が始められる、という設計だろう。

CODESHIPはCIツールのベンチャー

CODESHIPはCIツールのベンチャー

Black Duckは文字通りのアヒルの作り物でアピール

Black Duckは文字通りのアヒルの作り物でアピール

GitKrakenはGitのGUIツール

GitKrakenはGitのGUIツール

一方IBMやHerokuといった大手企業は、ソファーと電源を設置して休憩したいユーザーを呼び込む作戦だ。もはや知名度を拡げる必要がない企業にとっては、「いかに濃い対話ができるか?」が目的となるわけで、ゲストを座らせて電源を使わせることも正しい戦略だろう。

IBMのスペースはソファー中心

IBMのスペースはソファー中心

Salesforce配下のHerokuも同様

Salesforce配下のHerokuも同様

Googleはデモを交えてTensorFlowを説明。ここでも、基本はデモと対話だ。

Googleのデモブース

Googleのデモブース

CIツールのCircleCIはベンチを用意

CIツールのCircleCIはベンチを用意

また会場の外には、ランチとティータイムのためのスペースがあり、参加者がゆったりするための配慮が行き届いている。無料のラテを提供しているこのトレイラーは大人気で、終始行列ができていた。

ラテを無料で提供するトレイラー

ラテを無料で提供するトレイラー

会場の中にもドリンクは豊富に用意されており、ゲストへの配慮もしっかりしている。

ドリンクは大量に用意されていた

ドリンクは大量に用意されていた

GitHub Universeがユニークなのは、多種多様なニーズに応えようとする姿勢だ。ペットを連れて参加する人向けのスペースやGender Neutral向けの簡易トイレ、それに乳児を連れて参加する人が授乳をするためのクローズドなスペースなど、どんな人が来ても対応できるように考慮されている。

ペットを遊ばせるスペースがある

ペットを遊ばせるスペースがある

男性、女性という性別以外に、こういうトイレも用意されていた

男性、女性という性別以外に、こういうトイレも用意されていた

授乳のためのスペースと幼児を着替えさせるための設備まである

授乳のためのスペースと幼児を着替えさせるための設備まである

オムツを捨てるゴミ箱があるのも良く分かっている証拠

オムツを捨てるゴミ箱があるのも良く分かっている証拠

「バリアフリー」ということで階段をなくすというような配慮は、日本のイベントスペースでも見かけられるようにはなったが、ここまで念入りにダイバーシティ(多様性)に取り組んだイベントはなかなかないだろう。

また10月11日は「National Coming Out Day」ということで、LGBTQ+(Lesbian、Gay、Bisexual、Transgender、Queer/Questioningやそれ以外の多様な性)をサポートするMavenという非営利団体のCEOが登壇し、プレゼンテーションを行ったところからも、GitHubがダイバーシティに積極的に関わっていこうとする姿勢を感じる。

登壇したのはMaven YouthのCEO、Monica Arrambide

登壇したのはMaven YouthのCEO、Monica Arrambide

参考:Maven

市内からはタクシーで20分、公共の交通機関だと30分はかかる場所で開かれたイベントだが、ユニークであることとリラックスできることを両立した稀有なイベントである。今後機会があれば、ぜひ参加されることをお勧めしたい。

著者
松下 康之 - Yasuyuki Matsushita
フリーランスライター&マーケティングスペシャリスト。DEC、マイクロソフト、アドビ、レノボなどでのマーケティング、ビジネス誌の編集委員などを経てICT関連のトピックを追うライターに。オープンソースとセキュリティが最近の興味の中心。

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