5月病を吹き飛ばせ!

2008年5月24日(土)
須藤 克彦

まずは初めの一歩

 わ:なんか元気が出てきました! けど...。

 す:けど?

 わ:僕も先輩たちのように仕事ができるようになるのかなぁ、って最近思うんです。僕は学生時代にコンピュータをバリバリやってたわけじゃないし。同期の連中みたいに基礎があるわけでもなし。

 す:そこは勉強するしかないな。誰だって初めは初心者なんだから。何でも最初は一歩からだ。ほんの少しでいい、ちょっとだけ頑張ってみることだ。

 わ:ちょっとだけやったって僕みたいな基礎がない人間には難しいですよ。だいたい、本読んでいても難しくて全然楽しくないし。

 す:何でもそうだが、楽しめるようになるには、ほんの少しでいいから頑張ってみないとな。若井はスポーツか音楽とかやったことあるか?

 わ:はい、学生時代はバスケットやってましたし、今でもギター弾いたりします。

 す:そっか。どっちもそうだとが、初め下手くそなときは全然面白くないよな?バスケはパスとドリブルの練習ばかりさせられて試合なんかさせてもらえないしな。ギターだって人が弾いてるのを見てカッコ良いと思ってはじめても、なかなか音楽にならんからな。

 でもなぁ、コード押さえられるようになって音が出るともっとやろうと思うだろ?バスケットだって、パスにしろドリブルにしろ少しうまくなってやっと試合できるようになって、それでシュートとか入るようになって初めて面白いと思うんじゃないか?

 わ:そうですね。

 す:仕事だってそうさ。初めは単純作業の手伝いとかプログラムも簡単なやつばかりかもしれないが、そのうちプログラムが褒められたり提案書がお客さんに認められたり、それからだな、面白いって思えるのは。

 スポーツだって音楽だって最初はつまらない反復練習ばかりだろ?仕事もそうなんだよ。初めは単純な繰り返し。将来のためにほんの少しでいいから毎日本を読むとか、文章を書く練習をするとか、その積み重ねしかないのさ。

 わ:そういう地道な努力って、なかなかできませんよね。

 す:ほんのすこ~しでいいから、毎日30分でいいから。わからなくてもいい、面白いと思わなくてもいい、本を読め。無理にでも本に向かえ。家にPCあるだろ?

 それで日記をつけるのでもいい。若い人が文章力つける一番の方法は日記と手紙だ。だまされたと思って毎日1枚分の日記をつけてみろよ。その日あったことでも感じたことでもいい。ブログとは違うぞ。人に読ませるつもりじゃなくて、自分の気持ちを正直に書くんだ。少しでいい、自分と対話する時間をつくるんだ。

 わ:はい。

 す:そのうち何かが見えてくる、絶対。何度も言うけど、ほんの少しのことなんだよ。

小さな一歩でキラリとしよう!

 ちょっぴり希望が見えてきたかもしれない若井君。そんな若井君の後ろ姿を須藤部長は優しく見守るのであった...。

 どうだろうか、須藤部長の励ましは皆さんにも届いただろうか。ほんの小さな一歩でも踏み出せればきっと何かが変わるはずだ。

 さて、来週からはいよいよ6月特集「OS-1グランプリ」を先取りして、「チョコレートの国の侍」が登場する。チョコレートの国とは?そしてなぜ侍?刮目して待て!

神戸情報大学院大学
1980年立命館大学理工学部卒、独立系ソフトハウスに入社。CやFORTRANコンパイラなどの言語処理系の設計・開発に約10年間従事。その後ユーザ系企業でUNIXによるクライアントサーバシステムの設計・開発を主導。同時に企業の内外で人材育成に注力する。現在は神戸情報大学院大学で講師として教鞭(きょうべん)をとる。「ソフトウエア工学の基礎を勉強してオールラウンドプレーヤーを目指せ」が技術者育成についての口癖。http://www.kic.ac.jp/professors/sudo/index.html

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